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0087 興味をもたせるような気体の導入実験はありませんか?

 新規採用の中学校理科の先生からリアルでご相談を受けました。

興味をもたせるような気体の導入実験はありませんか?
 中学校1年生の化学分野で気体のところに入ります。この単元は実験はあるものの、いろいろな気体の性質を整理することが多いので、子どもがあまり興味をもたなそうです。そのため導入で実験をしたいと思うのですが、どのような実験があるでしょうか。

 なんも準備してないところでその場で答えるので、落ち着いているふりして、頭はフル回転です。気体の実験ということでは身近なモノを使って気体を発生させるとか、シャボン玉の中に水素や二酸化炭素を入れて上に行ったりしたに行ったりするのを見るとか、いくつかあるにはあるのですが、なんか…なんかなのですよ。いまひとつしっくりいかないというか、 俺たちは何か大事なことを見落としていないだろうか?byキバヤシ@MMR的な。な、なんだってー!

 中1の化学分野って、前半は金属、密度や実験の基本操作、ミステリーパウダーからの有機物・無機物と進み、後半は気体、水溶液、状態変化を学習します。で、現在5社出ている中学校の理科の教科書を見ると前半の構成はどこもほぼ同じなのですが、後半の気体、水溶液、状態変化の3つの小単元をどの順番で学習するかは教科書によって違っています。小単元どうしの間に「これを学ぶには前提としてこれを知っていないといけない!」ということがないので、それが可能なのです。

 でも、それでいいのかなと。たかだか数時間で学習が終わってしまう気体の内容を、導入・展開・まとめとこぢんまりと独立させる、同様に他の小単元と並列させるより、もう少し大きな、例えば単元全体の中で気体や他の小単元をどういうストーリーで構成していき、「気体」を扱っていった方が興味をもたせやすいのではないか。そんな気がします。


 中途半端な回答で終わってしまい、結局実験そのものは紹介しなかったのですが、その先生は私のあやふやな意をくみ取ってくださったようです。後日、メールでどうしたか報告してくださいました。

 気体の小単元に入る前に、有機物を燃焼させると二酸化炭素が発生する、という実験をしたところから、その流れで二酸化炭素に注目させたのです。水を張ったシャーレにろうそくを立てて、上から集気びんをかぶせると火が消えて、水面があがる、という実験を演示しました。その結果、生徒はかなり食いついてくれて、その後の二酸化炭素の発生&性質調べを張り切ってやってくれましたとさ。めでたしめでたし。

 そうそうそう、「今までのことは忘れて、今日から気体だ!」と進めるのではなく、その前の学習からうまく気体につなげてくれれば自然な導入になるよね。

 その先生のメールには、「悩んで&こだわってよかった!と思いました。」とも書いてありました。
一方、そのメールを読んでいる私は、こだわるヒマもなくにやっつけで、翌日〆切の原稿を書いていましたとさ。めでたくなしめでたくなし。

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