鉄は燃えるとどうなるのか、実験で探究してみよう。
【実験1】鉄が燃えると、酸素は使われるのか。
これは、燃焼さじを曲げて作った燃焼さじです。(すでに曲げられて「燃焼台」として教材屋さんで売っています)
それを水(わかりやすいように色をつけました)を張ったバットの中において、その上にスチールウールをほぐして載せる。
スチールウールに火をつけて燃えたところで、酸素の入った集気びんをかぶせます。
するとこの後どうなるか。
鉄と酸素が結びついたとすると、どうなるはずでしょうか?
それを考えてから(←思考力をつけるために大事!)動画を見てみましょう。
なんと、水面が上がってきました。
下の水面から6.5cmも上がっています。
おまけ。
酸素でなく窒素の場合どうなるか、比較用でつくったので見てね。
ですよねぇ~
【実験2】燃やす前と後の質量を比べる
(1) 燃やす前のスチールウールの質量を測る。
アルミニウム箔を載せた状態で0gにして、スチールウールの質量は2.04gでした。
(2) スチールウールに火をつけ、ガラス管を使って火のついたスチールウールに息を吹きかけて赤くする。
※下にアルミニウム箔を敷いて飛び散ったものも回収できるようにする。
(3) 冷めてから、燃やした後の物質の質量を測る。
※飛び散ったものも集めて、一緒に質量を測る。
2.65g、質量が増えていますね。
【実験3】燃やす前と後の性質を比べる
新しいスチールウールと、【実験2】で加熱したあとのスチールウールを使って次のことを調べる
(1) 色や手触りはどうか
燃やす前のスチールウールは、銀色でごわごわしていましたが、燃やしたすと黒っぽく、さわるとボロボロに崩れてしまいます。
(2)電流を通すか
燃やす前は電流を通しましたが、燃やすと電流が流れなくなりました。
(3) 磁石につくか
加熱前はつきますが加熱後はつかなくなってしまいます。とおもいきや、動画の最後のシーンは…?!
動画の前半の棒磁石は、磁力が弱いものです。だけど最後に使ったのは普通に実験で使う程度の強さの磁石ですが、加熱後の方までくっついてしまいました。酸化鉄(Ⅲ)Fe2O3は強磁性ですしね。ということで、磁石で性質の違いを確かめるのは微妙なので、鉄の実験なのにこの操作が書かれていない教科書もあります。
(4) うすい塩酸に入れるとどうなるか。
加熱前(左)はスチールウールから泡を出して溶けますが、加熱後(右)は泡がほとんど出ません。
【考察】
【実験1】で燃焼後に水面が上がったのは、瓶の中の酸素が減ったからだと考えられる。
この酸素は、鉄とくっついたのだろう。
【実験2】燃焼後は質量が増えていた。酸素と結びついたぶん、質量が大きくなったと考えられる。
【実験3】燃焼前と燃焼後では、性質が違っていた。これは化学変化(燃焼)により別の物質になってしまったためと考えられる。
結論:鉄は燃えることで酸素と結びついた。
おまけ もう1本作った息を吹きかけてスチールウールを燃やす動画と、昔つくった酸素が使われているかの実験動画、せっかくなので見てって!
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