前回、鉄は燃えることで酸素と結びつくことが確認されました。
だからスチールウールは酸素20%の空気よりも、100%酸素の中の方がよく燃えるわけです。
酸化と燃焼
このときスチールウール(鉄)は、酸素と結びつきました。このように、物質が酸素と結びつく化学変化を酸化といい、酸化によってできた物質を酸化物といいます。
物質 + 酸素 → 酸化物
たとえば、スチールウールが燃えてできた黒い物質「酸化鉄」は酸化物です。
鉄 + 酸素 → 酸化鉄
また、物質が熱や光を出しながら激しく酸化することを燃焼といいます。つまり、燃焼は酸化の一部なんですね。
銅を燃やせば酸化銅、マグネシウムを燃やせば酸化マグネシウムです。
銅 + 酸素 → 酸化銅
マグネシウム + 酸素 → 酸化マグネシウム
穏やかな酸化
激しい酸化が燃焼なら、激しくない酸化もあります。
鉄釘や10円玉が錆びたりするのも酸化です。酸化なのですが、燃焼と違って光ったり、熱を出したりしているようには見えませんね。これは「さびる」という現象は、ゆっくりと時間をかけた酸化だからなのです。スチールウールを燃やせば、光や熱が出るのがはっきりとわかりますが、せいぜい数十秒の話です。もし、このとき発生した光や熱などのエネルギーが、何日、何カ月、何年もかけて放出されると考えれば、光ったり、熱を出していてもほんのわずかなので気がつかないレベルなのですね。
ほどよい温かさが何時間も続く使い捨てカイロは、「燃焼」と「さび」の間の速さで進む酸化です。
炭素の燃焼
炭素は燃焼すると二酸化炭素になります。
炭素 + 酸素 → 二酸化炭素
なお、酸素が不十分だと一酸化炭素が発生する不完全燃焼となる場合があります。
一酸化炭素は無色・無臭で気が付きにくく、人体に有毒な気体です。一酸化炭素中毒によって人が亡くなる事故もあり、十分な注意が必要です。
水素の燃焼
水素の燃焼(リンク先)。燃焼というより爆発ですが、「爆発」という言葉は気体の急激な膨張をさす言葉であって「燃焼」や「酸化」「分解」のような化学変化の種類をさす言葉ではありません。
水素 + 酸素 → 水
次の動画は、中学生用水の合成バッグF35-1410に水素20mL+酸素10mLをいれて、圧電素子で火花を出して反応させたものです。水素にマッチを近づけたときと似た音がして、バッグ全体の中が白くなりました。水滴ができたためです。
有機物の燃焼
集気びんの中でロウソクを燃やしてみましょう。
ロウソクが燃えた後、集気びんのかべには水滴がつきました。水が発生したことがわかります。
さらに、石灰水を入れて振ると、白く濁りました。二酸化炭素が発生したのですね。
有機物には炭素と水素が含まれていることが分かります。
※有機物の定義としては炭素のみを基準にしていますが、実際問題としてほとんどの(中学校で扱う範囲ではすべての)有機物に、水素が含まれています。(参考リンク)
振り返り
1.今日の記事に出てきた「酸化物」をすべて挙げ、酸化鉄以外は化学式でも表わしてみよう。
酸化鉄
酸化銅 CuO
酸化マグネシウム MgO
二酸化炭素 CO2
一酸化炭素 CO
水 H2O
おわかりいただけただろうか?
そう、当たり前といえば当たり前だけど酸化物は「酸化~」という物質名が基本なので、化学式にすると以前やったけど後ろにOがきます。
そして「水」は「酸化~」という名称でないけれど、化学式から考えると「酸化水素」ということができそうです。でも「六甲のおいしい酸化水素」とか言われてもおいしそうじゃないですね。
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また、「酸化水素」という言葉から過酸化水素を思い出した人もいると思います。過酸化水素の化学式はH2O2、つまり水より酸素が1個多い、酸素多過ぎ、酸化し過ぎ、だから「過」酸化水素なのです。
2.前々回に見た、木が燃えると軽くなるのに、鉄が燃えると重くなる理由、わかりましたか?
3.二酸化炭素は発生したかな?
小学校では木や紙などの植物体を燃やしましたが、その時はもれなく二酸化炭素が出てきました。なので、「物が燃えると二酸化炭素が出る」という思い込みも強く、鉄を燃やしても二酸化炭素が出ると思っている人も少なくありません。
ところが。
石灰水は白く濁りませんでした。
先ほどの有機物の燃焼後の石灰水(右)と比べても違いがあります。
鉄を燃やしても二酸化炭素が発生しない理由を考えてみましょう。ヒントは「炭素原子」。



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