0698 いまさら「評価規準の作成,評価方法などの工夫改善のための参考資料(中学校理科)」

前(平成20年改訂)学習指導要領に基づく評価基準本評価規準の作成,評価方法などの工夫改善のための参考資料(中学校理科)で紹介した事例はまさにこの前の記事の【気象観測08】気象観測3 気温、湿度、気圧、風向などの変化と天気の関係の範囲でした。
 ということで、当時の原稿やその時に使った資料などを掘り返してみたら、掲載されたものは紙面の関係カットされているところも多くあったことに気が付きました。そういえば、この原稿のメインは前半の気象観測で「観察・実験の技能」の評価のところだったので、後半の「科学的な思考・表現」を評価する部分は他の原稿がメインで扱っていることもあり、簡単にしたのです。

 せっかく当時のデータがあるのに埋もれたままではもったいない。でもさすがに古すぎて今さら「理科の教育」などには出せません。そこで、10年以上の歳月を経て、カットした部分を補充した授業をここで示します。

東京の2009年12月2日から4日のデータを使っています。
12月2日は一日中快晴または晴れだったのに対し3日は一日中雨が降っていましたため、考察がしやすいのです。ちなみにこの原稿のもととなった授業では、一日中快晴または晴れだった4日もデータとして使っていました。

これをグラフにして、このグラフを基に次のような点を考察します。

(1)晴れの日と雨の日で最高気温と最低気温の差はどうなっているだろうか。

「おおむね満足できる」状況(B)判断される具体例

「十分満足できる」状況(A)と判断される具体例

B…晴れの日、雨の日それぞれにおける、最高気温と最低気温の差について指摘できた。
A…根拠となるグラフの箇所を指摘して、晴れの日、雨の日それぞれにおける、最高気温と最低気温の差について指摘できた。
 [支援]うまく関係が見つけられない生徒には、1日の最高気温と最低気温を読み取り、差を計算するようにアドバイスする。

(2)気温が高いときと低いときで湿度はそれぞれどうなっているだろうか

「おおむね満足できる」状況(B)判断される具体例

「十分満足できる」状況(A)と判断される具体例

B…気温が高いと湿度が低い、気温が低いと湿度が高いことを指摘できた。
A…根拠となるグラフの箇所を指摘して、Bの内容を指摘できた。
[支援]うまく関係が見つけられない生徒には、気温が高いときと低いときの時刻を探し、そのときの湿度はどうなっているかに注目させる。

(3)気圧がさがってくると天気はどうなるだろうか。

「おおむね満足できる」状況(B)判断される具体例

「十分満足できる」状況(A)と判断される具体例

B…気圧が高いと晴れになりやすい、低いと雨になりやすいことを指摘できた。
A…根拠となるグラフの箇所を指摘して、気圧が高いと晴れになりやすい、低いと雨になりやすいことを指摘できた。
[支援]うまく関係が見つけられない生徒には、気圧が下がっているところで、天気はどうなっているかに注目させる。

評価規準の作成,評価方法などの工夫改善のための参考資料(中学校理科) 2011-08-16

評価規準の作成,評価方法などの工夫改善のための参考資料(中学校理科) という長いタイトルの文書が冊子になって国研から自宅に送られてきました。そういえばとっくにネットに上がっていましたね。中学理科はこちら

この文書を作る「評価規準,評価方法などの工夫改善に関する調査研究」の協力者をやっていました。
これを作って強く感じたのは、全国の現場への「メッセージ性」という点を重視していましたことがあげられます。たぶんこれは、この「評価…」に限らず他の文書などでもそうなのでしょうが。

「評価に関する事例」の原稿を書くために、生徒から回収したワークシートから、いい失敗例(?)を探すという妙なことをしたのもいい思い出です。もちろん当該生徒には、感謝の気持ちを込めて「継続的な観測を行う際に同様な状況にならないように,個別に雲量の表し方と気温・湿球温度の読み方,湿度の求め方について指導し直した(81ページ)」わけですけどね

評価規準の作成,評価方法などの工夫改善のための参考資料(中学校理科)が出版される話 2012/01/02

評価規準の作成,評価方法などの工夫改善のための参考資料-中学校理科- という長いタイトルの文書が冊子になって国研から自宅に送られてきました。

・・・という話は以前しましたが、あれは、都道府県・市町村の教育委員会,国立大学附属学校、私立学校事務主管課等には配布したけれど、各学校には配布していなかったようです。

そこで、今度は各学校における活用促進を目的として、教育出版株式会社から市販本として出版されるのです。
で、そういえば調査研究協力者だったので、表紙がデザインされた市販本をいただきました。
中身は同じみたいですが、正月はヒマなので、以前もらったヤツと比べてみました。
ヒマじゃなきゃこんなコトしようと思わないわな…

左は以前配られた関係者用?で、表紙はふつうの白い紙。右が今回の市販本。それらしいです。

表紙をめくって「はじめに」。左は旧版、右が今回の市販本です。日付が違いますね。

「キーワード」のアイコンに注目。旧版はいかにも「ワープロでつくりました」って感じですね。一方市販本は、「出版社がつくりました」的と見慣れた安心感が。

編の扉の紙が、旧版は灰色、市販本は黄色です。明るさが違いますね♪

そして市販本はカラー版!写真などがカラーで印刷されています。…もっとも、私たちはモノクロ印刷を念頭に原稿を作ったので、ほとんどカラーの部分はありません。オールカラーで白黒文書を印刷したとなると、ちょっともったいない気もします。

他にも微妙にフォントサイズが変更されていたり、たぶん出版社のプロの校正が入ったのではないかと思われる一冊でした。

国研のサイトには旧版がアップロードされており(※現在は現行の指導要領に基づく参考資料がアップされています)、ふつうに使う分はそれで十分とは思いますが、120ページ印刷するのが面倒な人は、これを買うっていうのも手ですね。

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