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0892 露点の実験は難しい

水滴が出始めた瞬間が分かりにくい(2022-07-04)

 中学校理科の定番の実験だけど「これって普通にやっても絶対にうまくいかないだろ?」という実験がいくつかあります。
銅やマグネシウムの定比例の実験などはその最たるもので、対応策もいろいろ研究されています。

 一方、個人的には露点の実験もなかなかの無理ゲーではないかと思うのです。水滴の出始めた瞬間って、そんな分かるものなの?あまりにゆっくり変化するので、水滴が出始めた瞬間には気づかず、「あれ?なんか白くない?」と慌てても後の祭り、というのが現実じゃないでしょうか。

実験としては
①くみ置きの水を金属製のコップに入れて、温度計で温度を測りる。
②砕いた氷の入った太い試験管をコップに入れる。
③温度が下がっていくが、コップの表面に水滴が出始める温度を測る。
というもの。

しかしこのコップの大きさ(入れた水の量)に氷の量では、水が冷えるのに時間がかかってっしょうがない。

ならば…コップを小さくしても意味がない。

そうしたら、コップに少しずつ氷水を加えていくのが得策か。
ただ、入れる氷水の量が難しい。入れる量が少な過ぎれば温度が下がらないし、多過ぎれば、一気に露点越えして白くなってしまう。この上がりにも熟練の勘が必要になってくる。とはいえ、氷の試験管よりは現実味がある。

それ以上に厄介なのが、水滴が出始めた瞬間の見極め。
こうなったら、手遅れも甚だしいのはもちろんわかる。

指で表面をなぞってこんな感じに跡がついても、お前はもう死んでいる露点はもう超えている。

このあたりかな?でもこの状態で水滴ができているとわかるかな?光の加減もあるし…

では問題。この動画で水滴が出始めたのは、動画開始から何秒のところでしょうか。

 答えは8秒後なのですが、動画なので、その前後の時間を早く動かしたりすると白くなる変化がわかりますが、1倍速でそれを見ると気づかない人も多いのではないでしょうか。
 ひとまずは、こういう動画で水滴ができた瞬間が今だ!ということを練習する必要があるような気がします。

でも、そんなことまでやるんか、という異議は認める。
というか、わしもそう思う。

じゃあ専門的にはどういう方法で露点を測っているのだろう?目視ではなく、機械ではどうはかってんだろう。
露点計の原理
露点計とは?(日本冶金化学工業株式会社)
Q. 「露点」を測定するには?(東陽テクニカ)
なるほど静電容量か…ミラー式はある意味目視に似てるな。目の代わりにフォトセル(光の量に応じて抵抗値が変わる電子部品)を使ってるだけで。

テープをはるという工夫(2022-10-08)

金属コップにアルミテープをはる、という工夫もありまして。
 これは、結露を見やすくするための工夫、といわれています。
 コップに光沢のあるアルミはくを貼ると、そこだけ鏡のようになります。
 ところがそこに水滴ができると反射光が乱れ、きれいだった像がぼやけはじめます。そこで結露を見極めます。
 鏡面冷却式露点計もこの原理です。

 だが、しかし。
 このコップ、もともときれいな鏡面なので、アルミニウム箔を貼る意味がないんじゃ…。
 むしろ貼ってある部分の方がきたないし。

 ということであらためて、アルミニウム箔テープを貼ってみた。

同じように結露しました…。

ところで、セロハンテープを使う、というアイデアもあります。
セロハンテープは熱を通しにくいため、貼ったところは結露がしにくくなります。
画面の左側に、セロハンテープが貼ってあります。コップに撮影用のカメラが映っていますが、それがどうなるか注目してみましょう。

右下、つまりセロハンテープを貼らなかった側の水面より下の部分が結露して、見えにくくなりました。

セロハンテープが貼ってある部分は曇っていない、貼っている部分は結露しているので、これを比較すれば違いに気づきやすくなりますね。

ただ、今回は元の水の量が少ない中、いきなり大量の氷水を入れたので温度が急激に下がり、速攻で結露しましたが、露点温度を測るという実験の目的上、少しずつ水温を下げていく必要があるので、この動画ほどはっきりとは気づきにくいかもしれません。

何だこれは?(2022-07-04)

ところで、「露点」と書かれた段ボール箱から、こんなものが10個くらい出て来た。
こ、これは…(そのうち続く)

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