「仕事とエネルギー」の単元では、位置エネルギーと運動エネルギーが登場しました。他にも、ここまでの学習で様々なエネルギーが登場しています。どんなのがあったっけ?
課題:エネルギーにはどのような形態(種類)があるのだろうか。
教材によって形態と表記していたり、種類と表記していたりします。形態の方がしっくりくるけど、種類の方が分かりやすそうな感じがしてます。
力学的エネルギー以外にも
転がっているボールは運動エネルギーをもっているので、木片にぶつかったら、木片に力を加えていくばくかの距離だけ動かす、つまり仕事をすることができるのです。その代わり、木片にぶつかったあとは、ボールの動きは小さくなります。つまり、エネルギーを使ってしまったわけですね。
高いところにある物体は、位置エネルギーをもっています。高いところにある鉄球を落として下にある粘土にぶつかると、その粘土はへこんでしまうでしょう。これもボールが粘土に仕事をしたわけです。そのあとはボールは低い位置にあって、位置エネルギーがもうないので、粘土をへこますことはできなくなります。
このように考えると、力学的エネルギー以外にも、エネルギー=「仕事をする能力」 の形態があります。
電気エネルギー
モーターは電気をつかってものを動かす、つまり仕事をしていますね。電気の持つエネルギーが電気エネルギーです。
モーターはエネルギーではありません。エネルギーがお金なら、ここでのモーターは、お金を使う場所、つまり「お店」にあたります。
光エネルギー
光電池に光を当てれば、電流が発生し、それを使ってモーターを回す、つまり仕事をすることができます。これが光エネルギーです。
音エネルギー
音は空気を伝わって、鼓膜を振動させる、つまり、鼓膜に対して仕事をしています。音エネルギーです。
熱エネルギー
蒸気機関車は熱で水を水蒸気にして、その水蒸気で機関車を動かします。熱エネルギーです。
化学エネルギー
その熱は石炭を燃やして得ています。その石炭が持っているのが、化学エネルギーです。
ただし化学エネルギーの概念は中学生にはもたせづらい。熱・音・光のように五感でその有無や強弱を感じられないうえ、化学エネルギーは発熱反応で熱を取り出したり、化学電池で電流を取り出したりするときに「帳尻合わせ」的に登場しているだけなので、実在しないけど「こう考えると説明がつく」という、まるで幽霊のような存在と区別がつかない。高校になってエンタルピーとか出てくると説明はつくのだろうけど。生徒が理解するかはさておき。
核エネルギー
さらに化学変化で登場するのが化学エネルギーなら、原子核の反応で登場し、ウランなどの核燃料が持っているとされるのが核エネルギー。
核エネルギーも立ち位置的には化学エネルギーと変わりません。化学変化でのエネルギーの帳尻合わせに化学エネルギーが、核分裂や核融合など核の反応でのエネルギーの帳尻合わせに核エネルギーが使われる、ただそれだけの違いです。
仕事とエネルギー
では、仕事もエネルギーと同じく単位がJですから、仕事もエネルギーなのでしょうか。
とはいえ、「仕事エネルギー」なんて種類のエネルギーはありません。
もし、物体に重力に逆らってする仕事をしたら、その物体は仕事の分だけ、位置エネルギーが増えます。摩擦に逆らってする仕事なら、ズズズズーと音がしたり(音エネルギー)、接触面が熱くなったりします(熱エネルギー)。
仕事とは力を加えて物体を移動させることによってエネルギーを使う行為と考えるといいのでしょうかね。
結論
結論:エネルギーの形態(種類)には、運動エネルギー、位置エネルギー、光エネルギー、音エネルギー、熱エネルギー、電気エネルギー、化学エネルギー、核エネルギーがある。
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