0403 アスベスト
2010年12月、大手教材会社から相次いで「セラミック付金網」にあのアスベストが入っていて、回収騒ぎになっていました。
でも、使っている学校の立場から言うと、そう言われても、袋から出して使っているセラミック付金網がどこの会社のどの型番かなんて今さらわからない、というのが正直なところですが…。でも、可能性はかなり高いので、ビンゴかなと。もっとも、結局うちの学校へは回収に来ませんでした。該当品がなかったのか、それとも…
アスベストと言えば、2005年あたりに大きな問題として取り上げられ早急に対策が行われていました。ウチの学校でも技術室の天井がアスベストだったらしく、撤去の工事をあわてて行ってしましたし、理科でも「石綿付き金網」と呼ばれていました。アスベスト=石綿の金網は昭和40年代以前に製造されたものだけで、最近のものは名前では「石綿」と言われていても実際には使われていなかった、と当時は言われていましたが、ウチダはほんまもんの石綿付き金網を1990年3月まで販売していたから、ガセで確定と言ってよいでしょう。
それにちなんで、2006年の2月に、上野の国立科学博物館でやっていた「アスベスト展」で展示していたアスベストの写真を載っけておきます。当時はちょうどアスベストが注目されていました。
白石綿
世界で便用された石綿の9割以上がクリソタイルであるといわれています。紡織用原料をはじめ石綿スレート、石綿紙など多くの石綿製品に使用されました。
主産出国:カナダ、南アフリカ、ロシア、中国、ブラジル、イタリア
クリノクリソタイル
オルソクリソタイル
青石綿
耐酸・アルカリ性が強いことから長繊維は耐酸用紡織品、セメント高圧管、シートパッキングなどに使われました。中間の長さのものは吹き付け石綿として建築用にも使用されました。
主産出国:南アフリカ、オーストラリア、中国
リーベック閃石(曹閃石)繊維状(青石綿)
リーベック閃石(曹閃石)針状晶
茶石綿
繊維はクリソタイルより硬くピンピンとしているためスプリングファイバーとも呼ばれ、柔軟性があり強靭という性質をもっています。用途としては保温剤として単体で板や筒に成型されたり、弾力性があることから石綿布団の中綿にも使用されたりしていました。また、吹き付け石綿として建築用にも使用されました。
主産出国:南アフリカ
グリュネル閃石
グリュネル閃石 繊維状
石綿製品
石綿糸
石綿繊維を集合して、糸の形にし、これを材料として織物(石綿布)、編み物(石綿パッキングひも)などが製造されました。
石綿紙と石綿布
そして問題の石綿金網!
塩化ビニール石綿タイル、サイディング、スラグ石膏板などの建材
繊維状でなければアスベストではない
そもそもアスベスト(Asbestos、石綿)とは何なのか。
アスベストとは、繊維状の天然鉱物に対する鉱石名であり、
蛇紋石系(serpentine group)の
クリソタイル(chrysotile、白石綿)と、
角閃石系(amphibole)の
クロシドライト〔crocidolite、青石綿:リーベック閃石(riebeckite)〕
アモサイト〔amosite、茶石綿:グリュネル閃石(grunerite)〕
アンソフィライト(anthophyllite、直閃石)
トレモライト(tremolite、透閃石)
アクチノライト(actinolite、緑閃石)
の6種類があります。
が、これらの鉱物なら必ずアスベスト、つまり繊維状かというとそんなことはありません。
たとえば、これらはアスベストではありません。
緑閃石(陽起石)柱状晶、
軟玉、
針状晶
グリュネル閃石
透閃石
リザルダイト
アンチゴライト
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