今日は腕の曲げ伸ばしを例に、筋肉と骨格の関係を見ていきましょう。
これは腕の曲げ伸ばしの時の筋肉や骨格の様子を示した図です。
いろいろ、気が付くところがあるのではないかと思います。

※腕の部分の場合、屈筋が「上腕二頭筋」、伸筋が「上腕三頭筋」です。
曲げ・伸ばしともイラストACより
気づきそうなところ
(1)筋肉が屈筋・伸筋の2つあること。
(2)2つの筋肉のうち片方が縮む、片方が緩むで曲げるときも伸ばすときでそれらが入れ替わっていること。
(3)「縮む」と「ゆるむ」が対になっていること(「縮む」に対して「のびる」じゃないんだ…)
(1)(2)はいいですね。
(3)は単なる言葉の問題と思いきや、意外に深いことが隠されています。なぜ、筋肉が「のびる」という言い方をしていないのか。
答えは簡単、腕の曲げ伸ばしをするとき、筋肉は伸びないからです。
のびるというとゴムが思いつきますが、ゴムは、力を加える(引っ張る)と伸びて、力を加えるのをやめると元の長さに戻ります。
筋肉が「縮む」というのは力を出して筋肉が縮んでいるのですが。筋肉が「ゆるむ」とは、ライバルの筋肉が力を出して縮むことによって、縮む前の長さに戻ったと考えるとわかりやすいでしょう。
そうすると、腕を曲げるときは屈筋、腕を伸ばすときは伸筋がそれぞれ縮んで力を出すわけですが、このとき、それぞれ青い矢印のように骨を引っ張ろうとする力がはたらきます。そして、よく注目してほしいのですが、縮んだ筋肉と骨格のつなぎ目が屈筋と伸筋で違う位置にあります。これは、2つの図に青い矢印で示したように、どちらも同じ引っ張る(図でいえば右向き)の力ですが、作用点が違うため、一方は腕が曲がり、一方は腕が伸びるのです。私たちの体って、うまくできているのですね。

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ただし、運動の種類によっては筋肉が「伸びる」ことがあります。スクワットでしゃがむ際に太ももの筋肉が引き伸ばされますし、ダンベルをゆっくり下ろす際に腕の筋肉が引き伸ばされます。これを伸長性収縮(エキセントリック収縮)といいます。
とはいえ、ややこしい話ですが、それでも筋肉自体は縮もうとしているのです。筋肉としては縮みたいんだけど、負荷が大きすぎるために伸びてしまうというエキセントリックな収縮なのです。大きい負荷に対応するので腕の曲げ伸ばしのような筋肉がちぢむ短縮性収縮(コンセントリック収縮)よりも大きな力が出せるのですが、その分、筋肉に無理をさせているので、筋肉痛になりやすいのです。
なお、筋肉の縮もうとするはたらきと負荷の強さのバランスが取れると、筋肉が伸びも縮みもしない等尺性収縮となります。
こちらのサイトが大変わかりやすいです。
サルでもわかる、伸張性収縮(エキセントリック収縮)の特徴 – 陸上競技の理論と実践~Sprint & Conditioning~


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