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0017 【観察】ガクアジサイの花の分解

 6月に入り、アジサイの季節となりました。
 アジサイはガクアジサイと狭義のアジサイである「ホンアジサイ」があります。

ガクアジサイ 額紫陽花 Hydrangea macrophylla (Thunb.) Ser. form. normalis (E.H.Wilson) H.Hara  ユキノシタ科

 ガクアジサイの花には装飾花と両性花があります。

 これが装飾花です。4枚ある大きなものは萼(がく)で、右の画像は中央に小さな花弁とおしべがみられます。ちなみに、めしべは退化しています。

そしてこちらが両性花です。ご覧の通り、雄しべと雌しべはもちろん、花弁、がくもそろっている完全花です。ということは、花の後に実ができます。アジサイの実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)で、種子もできます。だいたい10~11月ごろです。



この、両性花を双眼実体顕微鏡で拡大してみました。

花弁は5枚 おしべは10本、めしべは1本ですが柱頭が3つに分かれています。そしてがくは5枚あります。


花がさく前の状態で切ってみました。子房がみられます。

そして最後に装飾花をよくみてみましょう。

おわかりいただけただろうか

 装飾花にもしっかりと花が咲いていることを!花弁・がくが4枚の花とと5枚の花がありました。
 で、装飾花はあくまでも飾りで不稔性(結実して種子をつくる性質)といわれていましたが、ガクアジサイの装飾花には稔性があるという報告がされています♪飾りじゃないのよ装飾花は HA HAN~

 ただし両性花にしろ装飾花にしろ、種子の親はめしべ側と花粉側の2つあって、遺伝子の「ガチャ」があるので、どんな形質の子になるかは、育ててみないとわかりません。なので、アジサイを繁殖させるには、種子ではなく、親の形質をそのままに受け継くことができる挿し木が一般的に行われているのです。

参考サイト
福岡教育大学>福原のページ(植物形態学・生物画像集など)植物形態学アジサイ類(ユキノシタ科|アジサイ科)
アジサイとガクアジサイの2種類の花を改めて検分する
上町 達也, 西尾 敏彦:アジサイ及びヤマアジサイの額咲き型品種における花序の構造と装飾花の着生との関係,園芸学研究2005 年 4 巻 4 号 p. 435-438

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