前編でも登場しましたが、酸素原子は2種類あります。
二重結合
使用例: 酸素 O2
単結合2つ
使用例: 水 H2O
窒素原子も2種類あります。
単結合3つ
使用例: アンモニア NH3
三重結合
使用例: 窒素 N2
使用例: シアン化水素 HCN
アセトニトリル CH3CN
これは2個の炭素原子が「単結合4個」と「単結合と三重結合」の2種類あるところにも注目。
塩素原子
使用例: 塩素 Cl2
塩化水素 HCl
ネオン原子 Ne くっつけようがない希ガス
よく、水素は手が1本、酸素は2本、窒素は3本、炭素は4本とかいって分子構造の書き方を説明する人がいます。ま、悪くはないのですが、うっかりすると中学生は分子を作る物質と分子を作らない物質の区別がわかりにくいので、その規則を必要以上に展開していって硫酸H2SO4とか炭酸H2CO3とかではまったり、Clが手が1本としてCuCl2から銅は手が2本、ということは金属銅は酸素のように2個の原子が二重結合でつながりCu2にならないの?とか一酸化炭素COっていったい…とか、ドツボに浜離宮になるよね。
で、この教材。工夫はしてあるのだけれど、同じC,N,Oの各原子のモデルが複数種あるのが仕方ないとはいえ、中学生には厳しいよな。生徒は4種類の炭素原子をそれぞれ別物と考えちゃいそう。初めに結合の種類(単結合・二重結合・三重結合)ありきと思われそうだし。
本当は窒素は二重結合と単結合というパターンも考えられるけど、メチレンアミン CH2=NH なんて中学では登場しないから無問題な点にも触れておこう。
CHECK IT OUT!
山本 文隆「分子を作ろう!〜原子の凹凸モデルの提案〜」サイエンスネット第37号 2009年11月,数研出版
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