1245 中学理科で解ける 共通テスト2024 地学編

地学基礎は今年は少なかったですが、地学は5問もありました。ただしいずれも知識を問う問題ではなく、グラフや図などを読み取って思考・判断する問題です。

第1問

問1 海洋底の年代と、その地点から海嶺までの距離との関係から、海嶺に対して移動する海洋底の平均的な速さを推定することができる。次の図1は、海嶺aと海嶺bでつくられた海洋底に対してそれぞれ5地点ずつ、海洋底の年代と海嶺からの距離との関係を示したものである。海嶺bでつくられる海洋底の平均的な速さは、海嶺aでつくられる海洋底の平均的な速さの何倍であるか。最も適当な数値を、後の①~④のうちから一つ選べ。ただし、海洋底は海嶺に直交する方向に移動しているとする。
 
  ① 3   ② 2   ③ 1/2   ④ 1/3

こんなグラフを描けば海嶺bは海嶺aの1/2くらいの速さでしかないことが分かると思うんだ。
ということで、 

問2 銀河の交代速度と銀河までの距離との関係は、ハッブルの法則(ハッブル・ルメートルの法則)と呼ばれ、宇宙膨張を示す証拠となっている。次の図2には二つの銀河のデータが黒丸で表示されている。ある銀河の後退速度を観測したところ、3500km/sであった。この銀河がハッブルの法則に従うとして、図2を使って、この銀河までのおおよその距離として最も適当な数値を、後の①~④のうちから一つ選べ。[2]メガパーセク

① 30   ② 50   ③ 70   ④ 90

これも2点と原点を結んで比例の直線がかける。そのグラフで3500km/sに対応する銀河までの距離は…
ということで50メガパーセク 

第2問

問3 次の図2は、日本付近で沈み込むプレートと活動的な火山の分布を示している。この図から読み取れることがらとして誤っているものを、後の①~④のうちから一つ選べ。
 
①沈み込む太平洋プレート上面の深さが100kmとなるあたりに、火山フロントが位置する。
②太平洋プレートの沈み込む角度は、東北地方の地下に比べて伊豆・小笠原諸島の地下の方が急である。
③関東地方の地下には、太平洋プレートとフィリピン海プレートの両方が存在する。
④四国地方に活動的な火山が存在しないのは、四国地方の地下にフィリピン海プレートが存在しないからである。

①「火山フロント」が何かわからなくても、太平洋プレート上面の深さが100kmの等深線にそって火山が並んでいることが分かりますね。これが火山フロントです。
②東北地方の地下は等深線同士の間隔が長いです。つまり緩やかに変化しているということ。一方伊豆・小笠原諸島の地下は等深線の間隔がかなり狭いので、急な傾斜だということがわかります。
③関東地方の地下には太平洋プレート上面の深さが100km~200kmの等深線がありますし、フィリピン海プレート上面の深さが40kmの等深線もありますよね。
④四国地方のすぐ北の瀬戸内海に、フィリピン海プレート上面の深さが40kmの等深線があり、太平洋側にはフィリピン海プレートの境界(つまり深さが0kmの等深線)があります。ということは、その間にある四国地方は深さ0~40kmのどこかにフィリピン海プレートがあるってことです。 

第3問

問3 次の図3は、Al2SiO5の化学組成をもつ3種の鉱物(紅柱石、珪線石、らん晶石)が安定に存在できる温度・圧力(深さ)の範囲を示したものである。なお、縦軸の右目盛りは圧力を、左目盛りはその圧力に対応したおおよその深さを示している。また、次ページの図4は、ある沈み込み帯の温度構造を示した模式断面図である。図4の破線で示したように、切れ込み帯の等温線は、冷たい海洋プレート上部の沈み込みに引きずられて大きく湾曲している。図4の点Aと点Bで安定に存在できるAl2SiO5鉱物は何か。その組合せとして最も適当なものを、図3を参考にして、後の①~⑥のうちから一つ選べ。
 
 
 

まず図4を見る。A点は深さ20kmで、温度は600℃と800℃の間。そこで図3に戻って縦軸20km、横軸600-800℃の場所とみると珪線石と分かる。同様にB点は深さ40km、温度400℃でらん晶石とわかる。

問5 二枚貝の化石の種類を組み合わせることによって,地層が堆積した水深の範囲を限定できることがある。地点Xからみつかった4種類の二枚貝の化石A~Dは,生息していた場所で埋没して化石になり、その後、運搬されていない。次の表1は、化石A~Dとそれぞれ同じ種類の二枚貝の現在の海における生息水深を示したものである。表1をもとに限定される、地点Xの地層が堆積した水深の範囲として最も適当なものを、後の①~④のうちから一つ選べ。

 ①5~200  ②10~100  ③20~50  ④50~70

 地点Xという一つの場所にA~D4種類の貝がいたということだから、それぞれの生息水深を全て満たす深さでないといけない。 

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