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0040 【生物の体の共通点と相違点09】動物の体の共通点と相違点(2) セキツイ動物の区分

 前回、動物の分類はまず背骨の有無に注目し、背骨があればセキツイ動物、なければ無セキツイ動物となることは学習しました。
 それをさらに細かく分類していきます。まず、セキツイ動物をさらに細かく分類していきましょう。

課題:セキツイ動物の仲間はどのような特徴からどのように分類できるだろうか。

区分原理1:呼吸のしかた
 イワシのような魚はえらで呼吸しますが、私たちヒトはえらなんてなく、肺で呼吸します。

 そこで、えらで呼吸するか、肺で呼吸するかで分けられそうです。
 実際に分けてみると、①一生「えら」で呼吸する動物②こどものときは「えら」で、大きくなったら肺で呼吸する動物③一生肺で呼吸する動物と3つにわけることができました。

区分原理2:体温の変化
 気温が下がったら、体温はどう変化するか。
 例えばイグアナは体温の調節がうまくできず、気温が30℃なら体温も30℃、気温が10℃なら体温も10℃となる変温動物です。そのため日光浴をして体温を上げます。ちなみに、今年(2020年)の冬はいつもは温暖な気候のアメリカ・フロリダ南部に寒波が襲い、体温が下がったイグアナが冬眠に入ったため、木から落ちる、なんてことが多発し、気象局が「イグアナ落下注意報」を出したとか。

 一方、私たちヒトは、寒かろうが暑かろうが、具合が悪いときは別として、体温はいつも36度前後ですよね。つまり環境が変化しても体温が変わらない恒温動物なのです。
 以上、体温が変化する変温動物と体温が変化しない恒温動物に分類できます。

 ただし、令和3年施行(平成29年告示)の学習指導要領では、「いろいろな生物とその共通点」では、「身近な観察を扱うが,ルーペや双眼実体顕微鏡などを用いて,外見から観察できる体のつくりを中心に扱うこと」とされているので、体温の変化についてはこれに当てはまらないため、発展的な内容とされてしまいました。呼吸と子の産み方では爬虫類と鳥類の区別がつかず、体表などで見分けることになるわけですが、正直、微妙です…。

区分原理3:子の生み方
(クロ)サンショウウオの卵 @志賀高原
トウキョウサンショウウオの卵 @埼玉県鳩山

 サンショウウオは卵を産む「卵生」ですが、私たちヒトは卵を産むのではなく、赤ちゃんを胎内で育ててから生む「胎生」です。

 ふう。セキツイ動物を2つに分けるもっともらしい分け方は「呼吸の方法」や、「環境が変化したときの体温の変化」、そして「子の生み方」といくつもあります。いくつもの分け方があるならば、どう分類していけばよいのでしょうか。
 それはまた次回に。それまで結論はお預けです。


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