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0424 震源を探せ!

まず教材でイメージを

 P波・S波の速さが既知ならば、ある地点で起こった地震の初期微動継続時間から、震源までの距離が求められます。
 理論的には3ヶ所の観測点のそれぞれから震源までの距離がわかれば、震源が特定できます。

 では、どうやったら3ヶ所からの距離で震源がわかるのか?

 そこでこの教材ですよ。3色のスポンジが重なるところこそ、震源です。

また、こういう教材もあります。プラスチック板に地図が書かれ、3ヶ所の観測点から、震源距離の長さ分の糸をたらしています。

糸の先端にあるのは磁石で、3個の磁石がくっついた場所こそ、震源ということになります。なるほど!

震源を探す教材ではありませんが、地震つながりの教材として一緒に載せておきますね。

イメージをもって作図で震源を探そう

その理論を作図で示したのが今回の記事です。

次の地震の震源の位置(震央と深さ)を作図で求めてみましょう。
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場所 P波到着時刻 S波到着時刻
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A点 4時56分08秒 4時56分14秒
B点 4時56分10秒 4時56分18秒
C点 4時56分12秒 4時56分22秒
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まず、P波・S波の到着時刻の差から、PS時(初期微動継続時間)を求めます。
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A点 …6秒 B点 …8秒   C点…10秒
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P波、S波の速さをそれぞれ8km/秒、4km/秒とすると、
震源からの距離(km)=8×PS時(秒)

で表される。これから、A~C点の震源からの距離は
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A点→ 48km B点→64km  C点→80 km
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ちなみに、地震が発生したのは、 4時56分02秒ですが、求め方は6つあります。
その1:震源から48km離れたA点までP波が到着するまで6秒かかる。4時56分08秒の6秒前は4時56分02秒。
その2:震源から48km離れたA点までS波が到着するまで12秒かかる。4時56分14秒の12秒前は4時56分02秒。
その3:震源から64km離れたB点までP波が到着するまで8秒かかる。4時56分10秒の8秒前は4時56分02秒。
その4:震源から64km離れたB点までS波が到着するまで16秒かかる。4時56分18秒の16秒前は4時56分02秒。
その5:震源から80km離れたC点までP波が到着するまで10秒かかる。4時56分12秒の10秒前は4時56分02秒。
その6:震源から80km離れたC点までS波が到着するまで20秒かかる。4時56分22秒の20秒前は4時56分02秒。

それはともかく、Aから半径48kmの円、Bを中心に半径64kmの円、Cを中心に半径80kmの円をかきます。
すると、3つの円は一部が重なります。

3つの円ABCがありますが、AとB、BとC、CとAの2つの円について、それぞれ交点が2つありますから、それを結びます。
3本の交点を結んだ線は、1点Oで交わります。そこが震央です。

点Oは本当に震央なのでしょうか、また深さはどう求めるのでしょうか。
一つの円を選び、その中心と震央Oを結びます。観測値ABCどれでもいいのですが、ここでは一番半径の大きい円Cにします。

Oを通りCOと垂直な線を引き、円Cとの交点(2つできるけどとりあえずそのうち一つ)をPとします。
PとOを結びます。

ここで△COPに注目します。COは観測点Cから震央Oまでの距離、CPは円の半径ですから、観測点Cから震源までの距離ということになります。そして∠COPが直角というのにも注目しておきましょう。

するとあら不思議、Pの位置を震源とすると考えれば、OPの長さが震源の深さになるのです!

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