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0833 【電流24】静電気と電流4 放射線の性質と利用

真空放電と関連させてX線にも触れるとともに、X線と同じように透過性などの性質をもつ放射線が存在し、医療や製造業などで利用されていることにも触れる。

 さて、真空放電なのですが、

 その昔1895年にドイツのレントゲンさんはクルックス管を黒い厚紙で覆って実験していると、離れたところにあった蛍光板が光っていることに気づきました。どうやらクルックス管から、目に見えないけど紙などを透過する何かが出ているようですが、それが何かはわかりません。なので、わからないときのお馴染みの文字”X”を使って、それをX線(X-ray)と名付けました。

 X線は、放射線の一種です。放射線はX線の他、アルファ線、ベータ線、ガンマ線などがあります。
 放射線とは何か、中学理科では定義づけをされておらず、こっそりうやむやにされています。どうしても電磁波とかまた説明の必要な言葉が出てきますからね。

 放射線には、物質を通り抜ける性質(透過性)があります。

 とはいえ、アルファ線は透過性が弱く、紙一枚でも通り抜けられません。人体でいえば、皮膚表面の角質層すら透過できません。
 アルファ線の正体は陽子2個、中性子2個のヘリウム4の原子核と、比較的大きい粒子なので、通り抜けにくいというわけです。そのため、角質すら透過できないレベルですから体外で放射性物質からアルファ線が出ても外部被爆にはなりませんが、逆にアルファ線を出す放射性物質が体内に入ってしまうと、その部分だけ集中的にエネルギーをくらって、DNAに大きな損傷を与えてしまいます。なので内部被ばくは特に危険なのです。

 ベータ線は紙は透過します。が、アルミニウムなどのうすい金属板で食い止められます。
 ベータ線の正体は電子。アルファ線より小さい粒子で、体内に入った場合もアルファ線より遠くまで行くので、アルファ線よりエネルギーは分散されます。一方、体外でベータ線が出ていた場合皮膚や皮下組織まで到達する、つまり外部被爆の可能性はあります。

 ガンマ線やX線は紙はもちろんアルミニウム板も透過してしまいます。こいつを食い止めるには鉛や鉄の厚~い板が必要になります。
 ガンマ線やX線の正体はもはや粒子ではなく、電磁波です。ガンマ線が原子核そのものから放出さ れるのに対し、X線は原子の内部ですが、原子核の外側で発生する電磁波です、詳しくはこちら

 とくにX線は皮膚のように密度が低い物質は透過するのですが、骨のように密度が高い物質は透過できないという性質を利用して、「レントゲン撮影」に使われます。

 他にも放射線は医療、農業、工業などの分野で利用されています。
 いろいろ調べてみると鬼のようにあります。

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