1181 骨が語る人間の生と死

※人骨注意※
東京大学総合研究博物館の特別展示「骨が語る人間の生と死」に行ってきました。

列島史上最も太い上腕骨
2022年の調査の段階でこれまで調査した中で最も太い上腕骨らしい(左)
縄文時代晩期(葯3000年前、保美ほび貝塚(愛知県田原市))

で、この保美貝塚付近の男性の腕は発見された20体のすべてが当時の男性の上腕筋の平均の太さを上回っていたので「縄文マッチョ村」と呼んでいる。学術の世界で「マッチョ」ってアリなのかなぁ、と思っていたら

日本語の「マッチョ」は、男性が筋肉質であることを表現する語として一般的に用いられており、本展でもその意味で使用している。欧語のmachoには、無感情で力づくな男性の態度というネガティブな含意がある。

と真面目に解説がされていました。ちょっとまて、てことはマッチョって世界共通語なの?!

で、縄文人の骨格の特徴
眼窩がんかが四角い。
②鼻が高く鼻根部が深くくぼむ
③上下の切歯の先端が噛み合う(切端咬合せったんこうごう)し、歯並びに大きな乱れはない。

で、歯に注目。わざわざ健康な歯を抜いたり、歯に刻みを入れる(叉状研歯さしじょうけんし)風習があったのだそうだ。

それがだ、古墳時代になってくると眼窩がんかが丸く、鼻が低く、第三大臼歯(親知らず)の欠如率が高くなる。

さらに鎌倉、江戸と続くのですが、江戸時代は柔らかく調理された食物による顎骨の死発育不良で小顔になり、歯の摩耗が減って歯並びが悪くなる(不正咬合)。寿命は延びたがQOLはむしろ悪化したというやつか?

この他、お墓というか埋葬されているようすや、梅毒やがんなどの病に侵された骨格などが展示されていました。

 昔の人の骨格を見て、真摯に学ばせていただいた気がします。
 2024年2月22日まで。

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