1253 はじめてのリスクアセスメント @school (6) で、リスクアセスメントって何よ? 

いろいろ引っ張っていましたが、いよいよ6回目にして「リスクアセスメント」について迫ります。

まずは労働安全衛生法の第五十七条の三を見てみましょう。

(第五十七条第一項の政令で定める物及び通知対象物について事業者が行うべき調査等)
第五十七条の三 事業者は、厚生労働省令で定めるところにより、第五十七条第一項の政令で定める物及び通知対象物による危険性又は有害性等を調査しなければならない。
 事業者は、前項の調査の結果に基づいて、この法律又はこれに基づく命令の規定による措置を講ずるほか、労働者の危険又は健康障害を防止するため必要な措置を講ずるように努めなければならない。
 厚生労働大臣は、第二十八条第一項及び第三項に定めるもののほか、前二項の措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るため必要な指針を公表するものとする。
 厚生労働大臣は、前項の指針に従い、事業者又はその団体に対し、必要な指導、援助等を行うことができる。

とあり、第 1 項でいう調査がリスクアセスメントです。
 が、「危険性又は有害性等を調査」というと、「こういう危険性・有害性があるよ(特定)」、せいぜい「これだけの危険性・有害性があるよ(リスクの見積もり)」という傾向をつかむだけ、というイメージがありそうですが、それだけではなく、「そのリスクを減らすためにこうするとよい」という、対策を提案するところまで含まれます。
 もちろんそれに基づき、「じゃあリスク減らす措置を実行しよう」というリスク低減措置も必要ですが、それは上の第五十七条の三でいうと第2項の範疇なので、リスクアセスメントには含まれません。とはいえ、リスクアセスメントとリスク低減措置は一体となって進めることが通常ですので、これらをひっくるめて「リスクアセスメント等」と呼んでいます。めんどくさいですね。どうせリスク低減措置も化学物質管理者が引き続きやるだろうし。
 この他、リスクを減らす措置をした後にもう一度リスクの見積もりをすることや、結果を記録・周知するお仕事もあります。

 まとめるとこんな感じです。
化学物質管理者講習テキストより

 また、第3項には「必要な指針を公表するものとする。」とありますが、その指針が、「化学物質等による危険性または有害性等の調査等に関する指針」(平成 28 年 6 月 1 日施行)で、それを普及のためにわかりやすくしたものが、労働災害を防止するためリスクアセスメントを実施しましょうです。
 そこに具体的なことはだいたい書いてあります。

今日のまとめ
 リスクアセスメントとは、「うちの学校の薬品はこんな危険や有害性があるよ、だからこう対策しよう!」ということだけど、実際はその対策を実行して報告・周知するまでがお仕事です。

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