1374 サイエンス・グランプリ

 かつて東京電力が主催していたサイエンス・グランプリという理科に関する自由研究作品のコンクールがありました。
平成7(1995)年から平成22(2010)年まで行われていたもので、ちょうど夏休みの自由研究を校外で評価していただくチャンスということで重宝していました。

 これは、最後の第16回(2010年)を除いた参加者数、参加校、グランプリの作品タイトルのデータです。

 タイトルを見てみると「パート2」だとか「森のひみつⅢ」「森のひみつⅣ」だとかありますが、シリーズものも多く見られます。つまり何年も継続してその研究をしているということになります。ここまでくると学校の先生のご指導よりも、保護者の手が多々入っているのは承知の上というか、審査員などを含めた関係者にとってはもはや公然の秘密みたいなものですが、それを差し引いてもサイエンスグランプリに限らず、この手の科学コンクールに入賞する常連みたいな人は確実に一定数いて、「すごいなぁ。。。」と思ってしまいます。
 少なくとも、夏休みの宿題になったので、仕方なく図書館から借りた、もしくは通信教育の夏休みに送られてくる「自主研究対策本」みたいなものからリンゴの褐変を調べるだとか10円玉をピカピカにするだとか、ドライアイスの気化だとか、手軽そうなテーマを選び、知恵袋サイトで「動機のところはどう書いたらいいでしょうか」とか質問して、レポート用紙1~2枚に手書きコピペされたものとは格が違いますね。
 なんとなく文章に棘を感じたかもしれませんが、それはたぶん気のせいです。これでもマイルドに書いたつもりだし。

 それはともかく、見てほしいのは参加者数と参加校数。中学生で見ていくと、平成15年あたりから参加者は2万人を越えますが、第1回はさすがに知名度も低かったのでしょうがざっくり1万弱から1万5000あたりまでと伸びています。一方参加校数は、平成10年度辺りから400~500と大きな伸びはありません。
 すると、1校当たりの参加者数はどうなるでしょうか。平成21年は508校28229名ですから、1校当たり55名です。ところが、平成10年は414校、11549名、1校当たり28名です。

 そこで平成11年、教員5年目だった当時のゲスい私は考えた。
 まだ学校数や中学生の数から考えてまだまだサイエンスグランプリの知名度は低い。しかも1校あたりの応募数が30に満たない。と、いうことはですよ、学年5クラスあるこの学校で、夏休みの宿題として自由研究を課し、100を超える数の応募をすれば、「学校賞(副賞:図書券10万円)」を狙えるのではないか。
 そして、計画通り(AA略
 もちろん、生徒の入賞というのも考えていましたよ。過去の入賞者数と応募者数の比率から「これは結構入賞者が出る可能性あるかも」と踏んで、実際入賞者も出ました。
 翌年も別の学校に異動して同じことをやって、また 計画通り(AA略 でした。

 2年目のときは、夏休みの宿題だけ「自由研究だ!」と出しておいて、これといった内容の指導はせず、集まった自由研究をほとんど見ないで東電に送っていました。そのあたりは生徒も知っていたので、東京電力の方が学校にいらして朝礼で「先生のご指導のおかげでたくさんの生徒さんが入賞し…」と話していた時に、苦笑をおさえられなかったのをいまだに覚えています。
 翌年は3年生を担当していたこともあり、受験生の3年生にそんな宿題は出せないなということでスルーしていましたが、その後知名度も上がり、学校賞はおろか、そう簡単には入賞が(倍率的に)狙えなくなりました。

 その後、私も省エネルギーセンターの省エネルギー教育実践校みたいなのに手を出したため、夏休みの宿題も自由研究からKidsISO入門編をやろう!とシフトしていったので、だんだんとサイエンス・グランプリと疎遠になっていきました。さらにその後3.11を迎え、サイエンス・グランプリ自体がなくなってしまいます。

 さて、ここからが本題なのですが、昔話をしていたら、ここまでの分量で1回分の記事として十分な量になってしまいました。
 なのでつづきは、また。

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