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0649 織姫と彦星は寂しくなんかない!

 2009年、朝日小学生新聞に連載されていた「わくわく理科タイム」で、七夕にちなんだ話題を載せよう…と思って編集会議に出したら、「科学的でない」などと、猛烈な勢いで関係者に止められて闇に葬られた原稿です。ま、あの頃はネタ切れに備えて類似品にはないような掲載内容の「枠」を広げようと、掲載が許されるギリギリのラインを狙っていたところがありました。
 ボツになったのは当時は納得いかなかったのですが、今にして思えばたしかに理科ネタとしてはステップ2が少々やり過ぎた感があって、認めない人は認めないわな、と思うようになりました。私も丸くなった、というか歳をとりましたね…。

七夕が近づいてきました。今回の話題は「織り姫」「彦星」についてです。

ステップ1 織り姫と彦星を探そう

 夜空にまたたく星の中から織姫と彦星を探してみましょう。日本で7月上旬の夜7~8時頃、東の空の高いところに、ひときわ明るく輝いている星を探しましょう。これが織姫です。織姫は、こと座のベガという星で、夏の星空の中で最も明るく見える星です。
次に、織姫から右下の方に見ると、彦星があります。彦星は、わし座のアルタイルという星です。七夕のお話では織姫と彦星の間に「天の川」があります。星がよく見える場所では、この2つの星の間を、たくさんの星が集まってできている天の川が分かりますが、都会などでは街の明るさのため、はっきりとみえないかもしれません。
 なお、一度視線を織姫に戻して、織姫から東の方へ視線を伸ばしていくと織姫や彦星よりは少々暗いはくちょう座の「デネブ」という星があります。織姫・彦星、そしてこのデネブの3つの星を結んだものは「夏の大三角」とよばれています。

ステップ2 しょっちゅう会ってる織姫と彦星
 七夕の伝説では織姫と彦星が逢えるのは年に一度、七夕の夜だけです。年に一度なんて寂しい…と思っていませんか。
 実はベガやアルタイルの寿命は数十億年から100億年といわれています。80億年とすれば織姫と彦星は一生のうちに80億回も逢っていることになります。
一生のうちに80億回…これは私たち人間で言えば、どんな感じでしょうか。人間の寿命を80年とします。80年で80億回ということは、1年なら1億回です。
 ここからは電卓を使いましょう。1億ですから1のあとに0を8回押します。これを365で割ると1日に逢う回数が出ます。さらに24で割って1時間、60で割って1分、また60で割ると1秒に逢う回数が出ます。その答えは3.17…となりますね。つまり織姫と彦星は、私たちの感覚でいえば1秒間に3回以上も逢っている計算になります。これなら、ちっとも寂しくないですね。

後日談

 旧ブログで2010年の七夕に上の記事をアップしたら、その後七夕を迎えるたびにツイッター方面で紹介されていたらしく、1年後から七夕になるたびにアクセスが増えていました。さっきアップした記事も何年も前に書いた記事も同じように読めるブログと、その場その場の瞬間的な盛り上がりを大事にするSNSがタッグを組むとこういうことが起こるんですね…。

 もしかして、リア充爆発しろというのはベガやアルタイルの超新星爆発のことを言うのか!?
たぶん奴らの質量じゃしないぞ。白色矮星どまりかと。

そして、もしこの記事が朝日小学生新聞に掲載されてしまったらどうなってたんだろうな~とちょっと思っています。

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