1411 文部省検定済教科書 職業 職業の知識3 (昭和25年)

 令和の現在、中学校学習指導要領で「技術・家庭科」と呼ばれている教科は、学習指導要領が試案から告示となった昭和33年改訂版から適用となりました。
 それ以前は何だったかというと昭和26年試案では「職業・家庭」と呼ばれ、さらにいちばん古い学習指導要領の昭和22年試案では「職業」科となっており農業,商業,水産,工業,家庭の諸教科と職業指導があったようです。

で、今回紹介しますのが、その「職業」、おそらくは職業指導の教科書。中学3年生用です。

ちゃんと文部省検定済教科書です。日本職業指導協会編。

先に奥付を見ると、昭和24年10月10日文部省検定済、昭和24年12月10日印刷、昭和25年1月10日発行と。発行者は実業之日本社。まじか、教科書出してたのか。そういや実業之日本社といえば進路指導.netとか、進路関係に強いけど、そのルーツはここにあったのか!

目次を見ると、公務員・事務・金融・自由業などの仕事各論のほか、職業調査や労働運動、失業に備えようなど、かなり懇切丁寧なラインナップ。

公務員のページ。「経済安定本部」?もはや歴史の教科書レベル!
交差点で交通巡査が台の上で交通整理というのも昭和ですね~。

金融。「無盡」ってなんだ?と思って調べました。勉強になるなぁ。今も1社だけやってるのね。
文部省検定済教科書でありながら、東京銀行ってモロに企業名が出てるけどいいのだろうか?

農業。農地改革って、GHQのあれだよね。それから統計資料の単位「石」「千貫」に注目

「8時間労働をまもろう」それな。「有給休暇に楽しい旅行をしよう」本当にしたいぜ。
でもこの頃は1年に6日なのね。

たぶん理科の教科書で昭和22年版試案に基づく教科書は理科準備室の本棚にはなかったかなと。
貴重な一冊です。

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