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0272 【力の働き2】 力のはたらき

一つの力がはたらくには、その力を出している物体と、力を受けている物体の2つがある

という話を前回しましたが、今回は特に力を受けている物体に注目します。

 力を直接目で見ることはできませんが、力を受けると物体がどうなるか、すなわち「力のはたらき」は見ることができます。

課題:力のはたらきにはどのようなものがあるのだろうか。

手で輪ゴムを引っ張ると、のびますね。
 

手が輪ゴムを引く力によって、輪ゴムの形が変わっています。
このように、力には 物体の形を変える というはたらきがあります。これが一つ目のはたらきです。

二つ目。机の上に「物体」があります。

机がなかったら、「物体」は落ちてしまいます。ということは、机は「物体」を落ちないように支えている、ということになります。
このように、力には、 物体を支える というはたらきもあります。これが二つ目のはたらきです。
この働きをする力は、机が「物体」を押す力です。

そして3つ目。飛んできたボールが壁に当たって跳ね返る場合。

ボールが壁に当たる前と当たった後では、ボールの進む向きは違いますね。速さも変わるかもしれません。
これは壁がボールを押す力によって、ボールの運動する向きや速さ、ひっくるめて「状態」を変えたことになります。
物体の運動の状態を変える というはたらき、これが三つ目です。

結論:力のはたらきには次の3つがある。
①物体の形を変える。
②物体を支える。
③物体の運動の状態(=向き、速さ)を変える。


 これを力を受けた物体の視点で「力を受けた物体はどうなるか」という課題を設定して、①物体の形が変わる ②物体が支えられる ③物体の運動の状態が変わる というやり方もあります。どちらかというと私はこっちのやり方の方が好きです。

 でもそもそも(混乱するから生徒には言いませんが)
①の「物体の形を変える」 というのも、形が変わることで止まっていた物体が動いたはずです。
②の「物体を支える」 というのは、その力が働かなければ物体は重力によって落下することを静止させていることだから、「物体の運動の状態を変える」ことになります。
したがってすべての道は「③物体の運動の状態が変わる」に通じるといえますから、力の働きを無理に3つに分けなくても…という気もします。でも一方で、この話題が全くないと力についてのイメージをもちにくくなりそうで、悩ましいところです。

 ちなみに③を逆に言ったのが「力を加えないと、止まっている物体は止まり続け、動いている物体は等速直線運動を続ける(つまり、どちらにしろ運動の状態は変わらない)」という慣性の法則ですね。

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