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0532 実際にそうだから

中学2年「化学変化と原子・分子」から。この問題を解いてみましょう。ちなみに図1,図2は、このブログに載せるのが面倒なので省略します。

【実験】 銅粉0.4g、0.8g、1.2g、1.6gをはかりとり、図1のように薬品さじでかき混ぜながら加熱し、冷えてから質量をはかった。同じ実験を、マグネシウムの粉末について行った。図2は2つの実験の結果をまとめたものである。
 この実験結果から、それぞれの金属と化合した酸素の質量の割合を、最も簡単な整数比で表しなさい。
       銅:酸素=(   ):(   )
      マグネシウム:酸素=(   ):(   )
 

図、特に実験の結果が示された図2がなくて解答不能な気分がしますが、
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       銅:酸素=( 4 ):( 1 )
  マグネシウム:酸素=( 3 ):( 2 )

です。
なぜなら実際にそうだからです。。。
(参考:原子量は Cu=64、Mg=24、O=16)

 もちろん問題文でも「この実験結果から」といっているし、正攻法は図2にかかれているはずの銅やマグネシウムの加熱前の質量と加熱後の質量の表やグラフからあれこれ計算して判断するのですが、仮にそうしたところで、正解は変わらないのですね。
なぜなら実際にそうだからです。。。

 で、この定比例の実験の問題、金属は絶対に銅とマグネシウムの2種類しか出てきません
鉄だとFe2O3だとかFe3O4だとかFeOだとかややこしいし、アルミニウムは27:16じゃ簡単な整数比にならないし、銀の27:2では酸素の分が実験誤差と区別がつかなさそうだし><(銀の27:2は以前、ある教科書で見たことがありますが)。

 あるいは未知の金属として、4:1または3:2以外の比率になるように問題をつくる…ということも考えられそうですが、現実にそんな金属が存在しない以上、そういう作問は出題者が批判をあびそうです。少なくとも、私は長いこと中学校理科の問題集を見てきましたし、複数の問題集の編集にも関わってきましたが、そういう出題は1度も見たことがありません。(未知の金属といいながら、実は銅かマグネシウムのデータを使っていた、というケースはありますが)

 まして、銅なのに4:1じゃなかったりした日にゃ、出題者は良くて出題ミスのそしりを受け、悪けりゃ問題作成の仕事は二度と回ってこないでしょう。もちろん、そういう出題も見たことはありません。

 すると、どうせ2パターンしかないなら、その2つの答えを覚えてしまえばいい
という発想は、予備校的受験テクニックとしては、あって然るべきだろうな、と思います。時間かけて苦労して計算して間違えるよりは、そのまま覚えている数字を書いた方がよい、というのも残念ながら真理です。

 そういう思考停止で意味もわからず暗記に走ってしまっても点数がとれるようなやり方は本末転倒なのですが、それ以上に受験生にとっては「知って得する受験テクニック」なんですよね。

 こういうテクニックが通用しない定比例の法則の問題を作ってみたいもんです。

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