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0088 【物質のすがた10】気体の発生と性質(1) 酸素と二酸化炭素

身近な気体にはどんなものがあるでしょうか。
酸素、二酸化炭素は小学校でも出てきましたね。そしてもちろん、空気。
他にもいろいろ知っている人もいると思います。

ということで、気体についての学習です。気体の性質や集め方などについて学んでいきましょう。

気体の性質としてみておきたいポイントとして次の点があります。
①色 
②におい 
③密度(空気と比べて大きいか小さいか) 
④水への溶けやすさ 
⑤水に溶ければ水溶液は酸性・中性・アルカリ性のいずれか 
⑥その他、特徴的な性質

 実験は実験で生徒は興味をもつし、技能的な点もあるし、もちろん思考・判断・表現の部分もあるんだけど、そこをおいておくとすれば、おさえておきたい知識としては、酸素、二酸化炭素、水素、アンモニア、窒素について、各気体の上記の6つの性質と発生法(発生させる薬品の組み合わせ)、ついでに性質から推定できるんだけど捕集法まで表にしてまとめれば完成といえば完成なんだよね~。

 では、小学校でも登場した酸素と二酸化炭素について、復習がてら見ていきましょう。

課題:酸素や二酸化炭素にはどのような性質があるのだろうか。

 酸素や二酸化炭素の性質を調べるには、まず実物が必要です。
 もちろん、缶入りの気体を使ってもよいのですが、

せっかくですので、実験で発生させてきましょう。
 酸素の発生法ということで一応こういう図を載せておきますが、最近ではほとんど活栓つきろうとを中学校理科の実験で見かけなくなったのは、私の周りだけでしょうか。いや、別にいいんですけど。

 酸素は過酸化水素水に二酸化マンガンで発生させます。
 二酸化炭素は塩酸石灰石が定番ですが、石灰石の代わりにチョークだとか卵の殻だとかを使うこともあります。いずれにしろ炭酸カルシウムですから。

 なお、酸素や二酸化炭素を発生させて集めるときに、水中で気体を集める水上置換法という方法を使いますが、今まで教えていた生徒の様子を見ると、名称は知っていても実際に正しく集めることができないケースがみられましたので、珍しく編集して動画を作りました。

ついでに編集前の素材動画も置いておきます。

 さて、酸素が集まったところで、酸素の性質を調べてみましょう。
 酸素は、無色で、においもありません。密度は空気よりやや大きい(1.1倍程度)です。
水にもほとんど溶けません。
 もっとも、水中の魚は「ほとんどとけない」水にわずかに溶けている酸素で生きていますから、完全に全く溶けないわけではありません。ただし、こういう話をすると生徒は酸素の性質として水に溶ける?とか誤解しそうなので十分な注意が必要です。

 これは、酸素は自分自身が燃える性質(可燃性)があるのではなく、線香など他の物を燃やす働き(助燃性)があるのですね。よくごっちゃにされやすいので、違いを分かっておきたいところです。

 何がどう違うのでしょうか。
 それには、物が燃えるとはどういうことかを考える必要があります。物が燃える(燃焼)は酸化の一種ですから、物質Aが酸素と結びついて(とりあえず中学レベルの「酸化」の定義で)酸化物Bをつくること、といえます。
  物質A+酸素→酸化物B
 すると、物質Aに酸素がくるわけにはいかなくなりそうです。酸素+酸素って、変な感じがします。

 ところで、ギネスブックにも登録されている長寿番組「徹子の部屋」ですが、あの番組には、ゲストとして出ることのできない人がいます。誰だかわかりますか。
 正解は…黒柳徹子自身です!黒柳徹子さん(80)は、司会としてトークしながらゲストの魅力を引き出すため、彼女自身はどうしてもゲストにはなりえないのです。
 それはちょうど、酸素は物を燃やすはたらきをするため、酸素自身はどうしても燃やされる側には立てないわけなのと同じですね。
 *「徹子の部屋」って、この4月から昼12時に移動していたのね。「いいとも難民」狙いかな?
(この部分は2014-05-17公開)

 一方、二酸化炭素は石灰石に塩酸の組み合わせで発生します。実験室的には酸素の時と同じ装置で発生させます。
 同じような水上置換の動画では面白くないので、石灰岩に塩酸を加えた動画を見てみましょう。このときの泡が二酸化炭素です。

 二酸化炭素は、無色で、においもありません。密度は空気より大きい(1.5倍程度)です。

 水には「溶けやすい」とまでは言いませんが、少し溶けて、水溶液は炭酸水、酸性です。

 炭酸水はpH5.6程度の弱い酸性なのでBTBははっきりと黄色くなりますが、リトマス紙が古かったりして状態が悪かったりすると、うまく青から赤に変色しないことがあります。

 そして、石灰水を白くにごらせる性質は、二酸化炭素の検出法としてもおなじみです。
二酸化炭素を吹き込む前の石灰水(左)と吹き込んだ後の石灰水(右)

ただし、さらに二酸化炭素を加えていくと、白いにごりが薄くなっていきます

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