人工イクラを作ってみましょう。
1gのアルギン酸ナトリウムを99gの水に溶かして1%アルギン酸ナトリウム水溶液を作ります。
アルギン酸ナトリウム (NaC6H7O6)n CAS No.9005-38-3
多糖類。
用途:増粘剤、結合剤、安定剤、ゲル化剤、歯科印象剤、カプセル剤(人造いくら等) など
階層のぬるぬる成分の正体がこの物質です。そして理科実験では、人工イクラでおなじみの物質です。
で、実際に…1gのアルギン酸ナトリウムを99gの水に溶入れても溶けない。なんじゃこりゃ。
しょうがないのでホーチミン。
2日放置したらさすがに溶けてた。
これをスポイトでとって、10%塩化カルシウム水溶液に液面の5cmくらい上から垂らすと…
おわかりいただけただろうか。丸い粒ができています。
アルギン酸は単糖分子が多数重合した多糖類で、そのナトリウム塩であるアルギン酸ナトリウムは水溶性です。しかし、塩化カルシウム水溶液に触れて、アルギン酸カルシウムになってしまうと、水に溶けなくなってしまいます。これはカルシウムイオンが2本のアルギン酸分子についているCOO–を架橋(橋かけ)してしまうことでゲル化してしまうのです。
とはいえ、それは、塩化カルシウムとアルギン酸ナトリウムが触れ合う液滴の表面だけの話で、中は水溶性のアルギン酸ナトリウムのままです。つまり「イクラ」の表面だけが不溶性の膜になって「イクラ」になるのです。
分かりづらいのでアルギン酸ナトリウム側に食用色素を混ぜてたらしてみる。
これが人工イクラです。
茶こしを使って、人工イクラだけ取り出してみます。
ちなみに、塩化カルシウム水溶液はもう一度アルギン酸ナトリウムをたらして人工イクラを作ることもできますが,色素が溶け出して汚れちゃっていますので、色は悪くなりそうですね。
「人工イクラ」といわれるだけあり、さわると本物のイクラのようにプニプニします。
せっかくなので、水を入れた容器にいれてみました。
ちなみに、塩化カルシウムの代わりに、乳酸カルシウムでもいけます。そうすると、まさに人工イクラとして食べることもできます。
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