1255 某科学コミュニケーションイベントの準備会で思い出したこと

この記事は旧ブログで2010年2月15日に更新されたものです。一部イベント名などは当時もろ書きしていたのですが、私は行きませんが今も続いていますし、あまり本題に関係ないのでぼやかしています。あのイベントかな?と思っても「あっ… (察し)」程度で止めてもらえると助かります…。

科学者と一般市民をつなぐような科学コミュニケーション系の某イベントがあるのですが、その出展者側だけの準備会のようなイベントが開かれたので、出没してきました。

最初にイベントの概要を担当者が説明して、次にマスコミ、学校、博物館と3人のコメンテーターが登壇して話題提供をした後、フロアからの自由討議をおこないました。

感想としては、運営側のもっているビジョンについて、ビジョンそのものの質とそれを関係者に明確に示すことの、もっというと単純にコミュニケーションの重要性をひしひしと感じました…とだけ言っておきます。科学コミュニケーション系のイベントなんですがね。

とはいえ、今日の準備会は、出展者側の仲間うちだけのお祭りのようで、アウトサイダーの自分にとっては何人かの知っている人に会ったこと以外、参加する意味があまりなかったかな(´・ω・`)

そういやメインのイベントも昨年、一昨年とその前の年と連続して行ったのですが、アウトサイダー=参加者=市民の側の視点が弱い、という印象を持ちましたし、それに近い批判は、今日もありました。

それはさておき、
科学コミュニケーションで思い出すのが、今日の準備会の話題提供で出てきた「2005年=科学コミュニケーション元年」の前年である2004年の秋、都内の某大学でサイエンスコミュニケーションをテーマにした公開研究会があって参加したときのことです。しかしあれはすごかった(笑)

登壇者が4人いて、一人は進行役を兼ね、残り3人はその大学の同じ研究室の教官と男女の院生。もともと、この研究会に出ようと思ったのも、当時は珍しかった科学コミュニケーションという話題と、男性の院生がテーマにしていた原子力発電の話に興味をもったことが大きな要因でした。

しかし、すごかったのは女性の院生。今ではぼちぼち出始めているサイエンスカフェを日本に取り入れようと提案していたのですが、どうも科学技術(あるいは科学者)に対して偏見なのかコンプレックスなのかを怨念なのかを丸出しにしていました。
一般市民に科学的知識は不要!H2Oがわからなくても科学者は説明できるようにしなければいけない」
「感情論というが感情の裏にあるものを考えて、聞く耳を持たない人に納得してもらえるように説明するのも科学者の義務だ

いやはや、「科学者はわかるように説明しなくてはならないが、市民は(趣旨を理解してやるというかたちで権力があるから)相手にわかるように説明しなくてよい」という考え方が、ちょうどこちらは金払っているから店員にどんなに不遜な態度で接してもいいと思っている客のようなものみたいですね。結構きれいな方だったのに、残念です。。。

さすがに聴衆かコメンテーター的な役割らしい、そこの大学の別の研究室の先生から「一般市民にも科学的知識は必要でしょう」という意見もサラッと出ましたが、司会の方(この方も科学コミュニケーションの一翼を担う組織の肩書きをおもちですが)は、彼女の意見に同調するような流れを作っていました。

途中、私と同じように案内を見て原子力に興味をもって来た一般の方が、おそらくは私と似たような思いになったのでしょう、科学者よりの指摘をしたかったようですが、要領を得ない話し方のためか、司会者の方にせかされて、本当に言いたいことが言えなかったようでした。ちなみに後日、この方はもしかして知る人ぞ知るあの人では…?と思ったのですが、今となっては確かめようがありません。

私ですか?私は小心者ですし、それ以上にこの流れでこの人たちに関わりたくないどころか、認知されたくもないとさえ思ったので、発言なんてとてもとても…。面も割れていなかったこともあり、一聴衆として空気モブと化していました。

それにしても、この研究テーマで科学者に対する愛がない、というか理系・科学者の視点がものの見事に抜けている(意図的に外している?)のはある意味斬新ですね。もしこの人がサイエンスカフェを主催したら参加した科学者がつるし上げられる糾弾会になりそうですね。あぁ怖い。

その後、彼女がこのテーマでマスターの学位を取ったのか、そして糾弾会でつるし上げを食らった哀れな科学者はいたのか、私には知りたくも知るよしもありません。

しかしそれを考えると今日の準備会、そして本イベントは、実は私が感じたほど悪くなかったのかもしれません。視点が一方に偏っているという点では同じですが、とりあえずあれほどすごくなかったし。

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