1389 低温やけど

お姉さん、カイロに書かれている”低温やけど注意”は関西弁じゃありません。そんなに親しげではありません。多分どの地域でもそう書かれています。

というネタがありますが、今日の話題は低温やけどです。

やけどは、火、熱湯、油などの高温のものが皮膚にあたっておこります。が、比較的低い温度(44℃~50℃)のものでも長時間にわたって皮膚の同じ個所にふれていると「低温やけど」をおこします。
一般的には
 44℃では3~4時間
 46℃では30分~1時間
 50℃では2~3分
で「低温やけど」をおこすことがあります。

「低温やけど」は、健康な人でも自覚症状を伴わないで発症する場合があります。その症状は、皮膚の深部におよんで赤くはれたり、水ぶくれができたり、皮下組織が壊れたりし、重傷事故に至ることがあります。

「低温やけど」は、比較的温度が低くて長時間にわたって直接皮膚に触れる、ゆたんぽ、電気あんか、電気毛布、カイロ(使いすて式)などでおこります。また、血流を圧迫する使い方や知覚障害、糖尿病などの神経障害のほか、体が不自由あるいは泥酔など熟睡中の状態にあるときに受傷しやすいといわれています。

カイロによる低温やけどを防ぐためには・・・
① カイロを直接肌にあてない。布で巻くなど伝わる熱を減らす。
② 同じ部位にあたる状態で長時間使わない。
③ 絶対に就寝時には使わない。
④ 違和感や熱いと感じたら直ちに使用を中止する。
⑤ 使用部位、目的が特定されているものはそれを守る。
⑥ 血流を圧迫する使い方(ベルトで押さえたり、サポーターとの併用)はしない。
⑦ こたつの中、暖房器具の近くなどでは、使用しない。
⑧ 靴用・靴下用カイロは使用直前に開封し、開封したらすぐに靴を履く。
⑨ 靴用・靴下用カイロは目的以外の部位では絶対に使用しない。
⑩ 肌の弱い方は十分注意する。

ところで、低温やけどが起こる温度と時間の関係ですが、PubMedにありました。pdfファイルはこちら。711ページのグラフがそれです。

PubMedとは、アメリカの医学系論文のデータベースなのです。昔、図書館司書の講習会を受けたことがあるのですが、そのとき大学の医学部の図書館に詳しい先生が講師でPubMedを紹介していました。そのときは、そんなもの一生使わないぜ!と思っていたのですが、まさかこんなところでお会いするとは…。

ちなみにこの論文が発表されたのは、1947年。終戦直後に、もう低温やけどの考え方があったのですね。そういう論文がちょっと検索するだけで無料に手に入るネットというのもちょっとすごいです。

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