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0361 授業って、まさに化学変化なんですよ。

教育実習の研究授業で講評を言う場面があったのですが、実は、肝心のその授業を見ていないというシチュエーション。
学生さんたちの批評の中身と、研究授業が「化学変化と原子・分子」の単元だったので、とっさに授業論をお話してみました。

授業って、まさに化学変化なんですよ。

反応する「学習内容」と「生徒」という2つの物質を、教え方という実験条件によって、「成長した(学んだ)生徒」という化合物をつくる。その化学変化こそが授業なのです。

一つの物質がわかっていても、もう一つの物質が何かわからなかったら、どんな化学変化が起こるかわかりませんね。特に理科の先生は、学習内容は十分に研究していても、生徒については十分に理解していないこともあります。

生徒の名前を覚えることは生徒理解のイロハのイ、基本のキです。中には予備校の先生や理科だと実験教室で1回限りの講師などをやるときに、初めて会う、名前も知らない子供相手に授業することもあるでしょうが、そういうときでも、子どもたちの様子を瞬時に把握して授業を展開していています。やはり生徒を見て、研究しているのです。授業をしながら。

また、同じ内容で授業をしてもクラスや生徒により授業の展開は変わってきますし、クラスや生徒ごとにふさわしい教え方が異なる場合もあります。2つの物質のうち、片方の物質が違う物質ならば、当然異なった化学変化が起こりますよね。そういうことなわけです。

化学を英語でchemistryといいます。英語の得意な人はご存知かもしれませんが、この単語にはもう一つの意味があります。それは「相性」という意味で、We have good chemistry. というと「私たちは相性がいい」という意味になります。
授業を通して、皆さんと生徒との、生徒と理科の世界との good chemistryを作り上げていってください。

それにしても、突然無茶振りされても、数分間それなりにもっともに感じられる話ができるスキルって、教師には必須だと思いました。

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