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0415 【火山と地震08】地震の伝わり方と地球内部の働き(1) 震度

世界の中でも日本は地震の多い国です。
こちらの図を見てみましょう。赤い点が地震が起こった場所です。

日本列島は赤い点で隠れてほとんどみえませんね。また、この地図を見ると、点が連なって線になっているところが多いことや、点がないところはほとんどないこともわかります。詳しくは何回か後の授業で見ていきますが、日本は地震がとても多い国なのです。

そんなわけで、日本にいれば地震を体験することはよくあります。

地震による影響は、たとえば「地震 影響」で画像検索すればたくさん出ていますね。最初意味が分からなくて、よく見て意味が分かると「!」となる写真もあります。自分や家族の方が大きな地震の被害にあったなどの理由で、こういう写真が苦手な人は無理してみないようにしましょう。

地震が起きた直後、テレビなんかでは地震速報がありますね。その一つをここにかき起こしてみました。

午前11時44分ごろ、つい先ほど、東北地方で震度4を観測する、やや強い地震がありました。各地の震度は、震度4が青森三八上北、岩手沿岸南部、岩手内陸北部などとなっています。気象庁によると、この地震による津波の心配はないということです。津波の心配はありません。震源地は宮城県沖、震源の深さはおよそ40km、地震の規模を示すマグニチュードは6.1と推定されます。気象庁によりますと、さきほど午前11時44分ごろの東北地方の、震度4を観測するやや強い地震による津波の心配はないということです。(FNNプライムオンライン 宮城で震度4 緊急地震速報も 津波の心配なし 2020/9/11)

地震が起きた後のニュース速報って、いつもこんな感じですよね。

詳しく分析すると、次のようになります。
「午前11時44分ごろ、つい先ほど」…発生時刻
「東北地方で震度4を観測する、やや強い地震がありました。」…概要
「各地の震度は、震度4が青森三八上北、岩手沿岸南部、岩手内陸北部などとなっています。」…震度の情報
「気象庁によると、この地震による津波の心配はないということです。津波の心配はありません。」…津波の可能性
「震源地は宮城県沖、震源の深さはおよそ40km」…震源に関する情報
「地震の規模を示すマグニチュードは6.1と推定されます。」…マグニチュードの情報
「気象庁によりますと、さきほど午前11時44分ごろの東北地方の、震度4を観測するやや強い地震による津波の心配はないということです。」…まとめ(新情報なし)

この「震源」「震度」「マグニチュード」「津波」いずれもこの単元で学習していきます。

ではさっそく「震源」について。
震源は地震が発生した場所です。ただし、地震は地表ではなく地下で起きますので「震源地は宮城県沖、震源の深さはおよそ40km」というふうに、該当する地上の場所(震央)を示し、そこから震源が何km地下にあるか(震源の深さ)を示します。この「震源」「震央」という言葉をおさえておこう。

で、「光源」や「音源」から光や音が周りに伝わっているように、地下の「震源」から周りに地震の揺れが伝わっていくわけです。

ということで、前置きが長かったですが、

課題:地震の揺れはどのように伝わっていくのだろうか

さて、地震の揺れが伝わっていくという話なので、地震による揺れの大きさを表現できる尺度があると話が早い。…そう、「震度」だね。

どれくらいの揺れだと震度いくつになるか、それをまとめたのが震度階級表です。その解説は気象庁のサイトにあります。
この表を見ると震度いくつでこの程度揺れるのか~というところで盛り上がりがちですが、おさえておきたいのは震度階級の名前。
「震度0」「震度1」「震度2」「震度3」「震度4」「震度5弱」「震度5強」「震度6弱」「震度6強」「震度7」の10階級となっています。

ツッコミポイントあるでしょ?
①「震度0」ってなんだよおい、地震が起きてないってこと?
②震度5と6にはそれぞれ弱と強があるってどういうことでしょうか。
ちょっと中学理科を離れたマニアックな話になりますが…
震度0とは人は揺れを感じないが、地震計には記録される地震で、まったく揺れていないわけではない。
②かつては「震度5」「震度6」だったのですが、1995年に起きた兵庫県南部地震(「阪神淡路大震災」と呼ばれているものです)で、「震度5」「震度6」の地域が広範囲にわたり、同じ震度でも被害状況に大きな差があったためこの地震を契機に「震度5」「震度6」はそれぞれ弱と強に2分割した。ちなみにこの地震では初めての震度7が出ましたが、当時の震度7の基準は現地調査により決定するものとなっていました。そうしたら、現地調査によりあとからあとから震度7の地域が追加されたこともあり、現在は震度7も震度計で計測されます。

計測震度計。
ま、これは気象科学館の展示品で、台にのっかって揺らし、その揺れが震度いくつかに相当するかという体験型の展示です。以前、気象科学館のボランティア案内員の当番をしていたとき、本当に地震が起こって、ちゃんと震度3と表示されてました。当たり前なんだけどおっ!と思いますよね。

なお、震度はある地点における揺れの大きさを表しています。つまり、同じ地震でも観測場所が変われば震度が変わるってこと。さっきの地震速報では、おそらくは時間の関係で、震度4の場所しか紹介していなかったけど、震度3や震度2、震度1の場所も当然あります。

そうすると、震源からの距離によって震度の大きさはどうなるか、予想つきますね。そして地震が震源から伝わっていくということは震源からの距離によって揺れが発生する時間も…予想がつきますね。

つまり、課題の「地震の揺れはどのように伝わっていくのだろうか」という質問の答えも…ですね。

次回はそのあたりを検証してみましょう。

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