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0769 【自然の恵みと気象災害2】気象現象がもたらす惠み

気象現象がもたらす惠みについても調べることになっているのですが、どんな恵みがあるのでしょうか。

水資源の供給

 大きいのはこれでしょう。台風はまとまった雨がふるため、ダムに水が大量にたまり、水不足を解消します。
 参考 水不足解消へは今年未だに発生していない台風が鍵を握る!?(Yahooニュース)

 また、関口武・福岡義隆:雨台風と風台風,天気,11(2).pp53-57,1964によると、1つの台風が日本全土にもたらす雨の総トン数は50~400億トンとありますが,度数分布から250億トン以上のものと100億トン前後を中心にするものとの2群に分けられます。ただし1964と古いので最近の大型化する台風だともっと大きいかもしれません。

風の恩恵

 水資源は雨による話ですが、風が吹くことによる恩恵もあります。
・空気の入れ替え…空気が滞留したままだと、体に良くなさそうな物質がどんどんその場の空気にたまってきてよろしくなさそうです。それを風で流して薄めるわけです。
・熱や湿度の移動…空気が流れるとともに熱や水蒸気、雲も移動します。
・水環境の改善…川や海などを水をかき混ぜて深いところまで酸素を補充するなどのはたらきをします
・風の利用…風力発電などがいい例ですが、植物の中には風で花粉を飛ばして仲間をふやすものもありましたね。

住みよい環境

 青森市のサイトでは雪の恵みについて、日本一のおいしい水、良質な米・おいしい野菜・果物、豊かな魚介類の面から紹介しています。雪解け水が農業や水産業にプラスの影響を与えているわけですね。
 このほか、水があれば森を育めますし、ひいては四季の美しい景観をもたらします。

生態系の維持

 海の水は浅いところでは太陽から熱せられ水温が高いですし、空気に面しているので酸素も多いです。深くなると水温も酸素濃度も下がっていきます。
 ここに台風が通過が通過すると、浅いところの海水と深いところの海水をかき混ぜ、深いところの海水まで酸素をたっぷり含ませるとともに、浅いところの水温を上げ過ぎないようになります。
 台風が来ないと水温が30度を超えると、サンゴが白化して死んでしまうのですが、台風が適当にかき混ぜて水温を下げることで、それが25~28℃程度のサンゴにとってはいい感じの温度に調節してくれています。

ハリケーンがもたらす自然への恩恵

サンゴ「白化」のメカニズムと台風との関係(日本自然保護協会)

本郷宙軌:巨大化した台風がサンゴ礁生態系に及ぼす影響についてのレビュー:研究課題と研究戦略、日本サンゴ礁学会誌 第 15 巻,15-36(2013)

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