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0828 真空放電

真空放電(1) (2010-04-15)

誘導コイルで高電圧をかけると、空気中で放電が起こりました。

ところが、この針と円盤の間が長くなると、放電は起こらなくなります。
電流(というか電子)を流そうとするはたらきである電圧が大きくなっても、空気の針から円盤までの間には、空気の障壁があります。電子はその障壁を乗りこえていけないのです。

ならば、その障壁を取り除けば、電子は流れるのではないか。つまり、真空にすれば放電はより起こりやすくなるはずです。

ということで、こんな装置があります。

真空ポンプで空気を抜いたガラス管が4本。ガラス管の両端には電極があって放電ができます。
4本のガラス管は、残っている空気の圧力が違います。

まず、40mmHgの場合。ふだんの空気の約1/19です。障壁である空気が少ない分ので、同じ電圧で空気中より
遙かに長い距離の間を放電することができます。

次に10mmHg。紫の光が太くなってきました。

さらに6mmHg。さらに紫の光は太くなっていきます。

最後に0.14mmHg。色が紫から黄色っぽくなります。写真では暗いですが、実際はガラス管全体が黄色くなっていました。

真空放電(2) (2010-04-16)

次にこんな装置を使います。

今度はただ単に空気を抜くだけでなく、そこに微量のネオンなどのガスを入れます。すると、たとえばネオンの場合、こんな色になります。

陰極から陽極に向かって飛び出した電子が、途中でネオン原子にぶつかると、ネオン原子にエネルギーを与えます。エネルギーをもらったネオン原子は,最外殻電子が励起されて不安定になり,光(エネルギー)を放出して安定な状態に戻ります。その光が、ネオンの場合、赤かったのですね。これは、ネオンサインに利用されています。

では、他の気体ではどうでしょう。アルゴンの場合。

ヘリウムの場合。
 

アルゴンガスと水銀蒸気を入れてみたものでは…

水銀が紫外線を出し、青く光ります。ところが、ガラス管の内面には蛍光物質が塗っておくと、こんなふうに色を変えることができます。それが蛍光灯ですね。

逆に蛍光物質を塗らず、紫外線を通る石英ガラスなどをガラス管に使うと、殺菌灯になります。でも紫外線は目に有害ですが、見ないようにしましょう。ちなみに、蛍光灯管に使われているガラスは紫外線を通しませんから大丈夫。

空気 真空度高きもの

空気 真空度低きもの

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