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0883 硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、炭酸アンモニウム

アンモニウム塩特集

硝酸アンモニウム

硝酸アンモニウム 硝安 NH4NO3 Mw=80.04  CAS No. 6484-52-2
危険物第1類 硝酸塩類 第3種酸化性固体
有害性としては長期にわたる, 又は反復暴露による血液系の障害、および強い眼刺激があります。
潮解性(硝酸塩には潮解性のある物質が多い)のある結晶もしくは結晶性粉末。

 水に対する溶解度が異様に高く、20℃で100gの水に190gも溶けます。で、さらに水の温度が高くなるとさらに溶けて100℃の水だと871gとか、わけわからない量溶けます。再結晶の実験したくなるけど、潮解性もあるし、なかなか水が飛ばなさそう。

 さらに、硝酸アンモニウムといえば、瞬間冷却パック。硝酸アンモニウムの溶解熱(吸熱)が激しく、溶媒の水が凍ってしまったりします。
 NH4NO3(固) + aq  →  NH4NO3aq   ΔH=25.7kJ
 エンタルピー表記してみましたが…正直、熱化学方程式の方が直感的にわかりやすいんだよね。ガラパゴスかもしれないけど。(個人の感想です)、g重がN(ニュートン)にとってかわられてイメージしづらくなったのと重なるのですが。

硝酸アンモニウムを水に溶かしたときの温度変化を調べてみました。


硫酸アンモニウム

 硫安 (NH4)2SO4 Mw=132.14 CAS No.7783-20-2
 化学肥料として有名な硫安ですが、強アルカリと混触するとアンモニアが、水気があるところで加熱すると二酸化イオウが発生することは注意しておきましょう。

炭酸アンモニウム

 炭安,炭酸アンモン  CAS No.506-87-6
 空気中では不安定で、徐々にアンモニアと二酸化炭素を放出しつつ分解して、炭酸水素アンモニウムになる。

 この「試薬」カテゴリーで物質を紹介するときは、いつも複数のメーカーのSDS(安全データシート)に目を通しているので、かなりの数の物質についてSDSを見ているつもりなのですが、このパターンは初めてでした…。
 どのメーカーでも「炭酸アンモニウム」と称する試薬は、
 炭酸水素アンモニウムとカルバミド酸アンモニウム(カルバミン酸アンモニウム)の混合物
なのです。

 昭和化学のSDSでは、
本品は炭酸アンモニウムとして製造できず、炭酸水素アンモニウム(NH4HCO3)ととカルバミド酸アンモニウム(別名:カルバミン酸アンモニウム)(NH2COONH4)との混合物である。
という説明があります。
 炭酸アンモニウムということは、化学式は(NH4)2CO3となり、NH4+とCO32-の比率が2:1
になるはすですが、NH4HCO3とNH2COONH4だったら、どういう比率で混合してもNH4+とCO32-の比率が2:1にならんやろ…。

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