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0891 珪酸ナトリウム(水ガラス)

オルト珪酸ナトリウム・n水和物

オルト珪酸ナトリウム 2Na2O・SiO2・nH2O  CAS RN® : 13472-30-5

シリカゲル、土木、製紙、接着剤、鋳造などに使われますが、理科の実験でおなじみなのは廃油石鹸をつくるときに、アルカリ性の強い水酸化ナトリウムの代わりに使われます。とはいえ、オルト珪酸ナトリウムだって2%水溶液でpH13前後の強いアルカリ性というだけあって、皮膚や目に重篤な損傷をもたらします。
 なので、オルト珪酸ナトリウムが使われるのは水酸化ナトリウムに比べてアルカリが弱いからというよりも、劇物でないので入手がしやすいから、というのが正しいところでしょう。だいいち、例えば石灰や炭酸ナトリウムレベルのアルカリ(pH11-12あたり)では、けん化が起きず、石鹸ができませんし。

 酸を加えると激しく反応し、珪酸が析出するのも、カルシウム、マグネシウム、アルミニウムなどの金属と反応して水素ができるところなんかも、「だって、アルカリだもん」といえば説明がつきますね。

 なお、珪酸ナトリウムの規格については、JISK1408:1966 けい酸ナトリウム(けい酸ソーダ)があったのですが廃止され、団体規格「日本無機薬品協会規格 けい酸ナトリウム(けい酸ソーダ)」がその後を継いでいます。

1号珪酸ナトリウム溶液(水ガラス1号)

けい酸ナトリウム溶液 Na2O・nSiO2・xH2O CAS RN® 1344-09-8

珪酸ナトリウム溶液は1号から5号まであるのですが、何号というのは二酸化ケイ素と酸化ナトリウムの含有率できまります。

1号、めちゃめちゃ粘度が高い。

フェノールフタレイン溶液を加えると赤くなりました。アルカリ性ですね。

多量の酸を加えるとゾル又はゲル状のけい酸を遊離する。

松岡雅忠:水ガラスを使用する実験,化学と教育 69 巻 2 号(2021 年)

珪酸ナトリウムの種類

 ここでは、たまたま理科準備室にあった2種類の珪酸ナトリウム(水ガラス)について紹介しましたが、Na2O,SiO2,H2Oの配合割合が任意に変えられるので、いくらでも種類があります。

三田宗雄・磯田信人・熱海孝司・輿水仁:ケイ酸ソーダの最近の用途,Gypsum & Lime No. 231 (1991)

なんかを見ると、SiO2/Na2O のモル比が1以下だとオルト珪酸ナトリウムなどの結晶性、2以上になると珪酸ナトリウム溶液になることがわかります。

東曹産業の珪酸ソーダ(水ガラス)のページには大変詳しい説明が載っています。

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