AgNO3 Mw=169.872 CAS No.7761-88-8
劇物 危険物第一類 硝酸塩類 危険等級Ⅰ
白色の結晶~結晶性粉末
用途:銀ペースト材料、試薬、写真感光材、銀鏡、医薬、抗菌剤等
中学校では銀樹の実験で登場しますが、他にはどんな実験があるでしょうか。
塩化物イオンの検出
硝酸銀は塩化物イオンの検出にも使われます。
精製水、水道水、食塩水に硝酸銀の水溶液を加えたらどうなるでしょうか。
精製水ではなんともありませんでしたが、水道水で少々、食塩水ははっきりと白い沈殿がみられました。
AgNO3 + NaCl → AgCl↓ + NaNO3 と塩化銀の白い沈殿ができたのです。食塩水にはたくさん、水道水にも少しCl–は含まれていますからね。
硝酸銀は水溶液も市販されていますが、やはり、光で分解されないように念入りに遮光しています。
ところで、先ほどの沈殿を一日放置していたものがこちらです。
おや、真ん中の水道水で実験したやつ、黒くなっていますね。実はこれ、銀なのです。
銀はイオン化傾向が小さいです。つまり、銀はイオンであるよりも原子になりたがっています。なので銀のイオンAg+は居心地が悪いので、光を口実に 2Ag⁺+2Cl⁻→2Ag+Cl₂ と銀原子になってしまいます。
そう、あの「銀」なのですが、いかんせん微粒子なので金属結晶とはなっておらず、銀といって普通にイメージするあの光沢のある銀色とは全く違う姿になっています
塩化銀と○○の反応
硝酸銀と塩化物イオンでできる塩化銀の白い沈殿ですが、これに何かを加えて、透明にしたり、違う色の沈殿にしてみましょう。
チオ硫酸ナトリウム
白色の塩化銀を、無色のチオ硫酸ナトリウムに加えると溶けて無色の液体になります。
AgCl + 2Na2S2O3 → Na3[Ag(S2O3)2] + NaCl
ビスチオスルファト銀(Ⅰ)酸ナトリウムができます。
ヨウ化カリウム
ヨウ化カリウムと塩化銀で、ヨウ化銀の黄色い沈殿ができます。
KI + AgCl → AgI↓ + KCl
アンモニア
そして、塩化銀にアンモニアを加えるとジアンミン銀(Ⅰ)イオンができて無色になります。
AgCl + 2NH3 → [Ag(NH3)2]+ + Cl-
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