0128 【状態変化2】状態変化と熱(2) 状態変化と体積・質量の変化

 アセトンをポリ袋に入れて熱湯(右)や氷水(右)に交互に入れてみました。
どうなるか動画を見てみましょう。
 教科書ではエタノールが使われることが多いですが、エタノールの沸点が78℃なのに対しアセトンの沸点は56℃なので、湯沸かし器程度のお湯でもふくらんでくれるところが嬉しい。臭いとか引火性とかはエタノールよりアレですが。

 お湯に入れたら袋は大きく膨らみ、氷水に入れたら、袋はしぼみました。このとき、液体のアセトンが温められて気体になり、冷やされて液体に戻った状態変化が起こったのです。
 他の物質でも状態変化の時に体積はどうなるのでしょうか。また、質量はどうでしょうか。

課題:物質が状態変化するとき、体積や質量はどうなるだろうか。

 ロウは固体だとロウソクなどでおなじみの白い不透明の物質ですが、液体になるときれいな無色になります。

 そこで、液体のロウを入れたビーカーがさめて固体に変化する様子を、上からタイムラプスで撮影してみました。

周囲から冷めて固体になっていく様子がわかります。

では、ロウが液体から固体に状態変化するときの体積や質量の変化を調べてみましょう。

 ロウの状態変化で体積・質量はどうなるかという実験は以前も紹介しましたが、この実験は、上皿天秤がその価値を発揮する、という話も以前本ブログの記事になっておりました。ということで、上皿天秤に載せたままロウを液体から固体に状態変化させて質量が変わらないことを示した実験を撮影しました。

編集前素材

 スクリュー管に書かれたマジックの線は、液体だった時の液面の位置です。固体になってもその位置は変わりません。しかし、中央部が凹んでいるので、体積は減ったということが分かります。
体積は変化(ロウが液体⇒固体になるときは減少)しましたが、質量は変化しませんでした。

 凹みがなかなか画像ではお見せしにくい。とりあえず3枚、上から見た図を載せてみました。

結論:物質が状態変化するとき、体積は変化するが質量は変化しない


 状態変化では体積が変わっても質量は変わりません。

 よく教科書には液体のろうが固体になったとき、ロウは内側がへこんで体積が小さくなるけれど、質量は液体のときと固体のときで変わらない、という実験をやっています。

 ところが、ドライアイスをビニールに入れてきちんと口をふさいだものを、0.01g単位で測れる電子天秤で調べると、ドライアイスが昇華してビニール袋がふくらむにつれ、0.02~0.03gではあるが、確実に軽くなっていきます。

 これはどういうことでしょう。実は空気の浮力によるものです。
電子天秤の上には、ビニール袋と、そして空気が乗っかっています。この重さを天秤は量っているのです。ここで、ビニール袋がふくらむと、その体積分だけ空気が電子天秤の上から押し出されてしまいます。ビニール袋は体積が増えるだけで質量が変わらない以上、天秤の上に載っている空気が少なくなったわけですから、軽くなるわけです。

 液体のアセトンをビニール袋に入れて、お湯をかけてふくらませ、前後の質量をはかるのも同じことが起こります。もっとも、こちらはビニール袋にかけたお湯をきちんと拭き取らないとそのぶんおもくなってしまうかもしれませんが。。。(2010-07-15公開)

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