生石灰(きせっかい、せいせっかい)の主成分である酸化カルシウム。
化学式 CaO CAS No.1305-78-8
お弁当の加熱に使われ、使用後は普通に燃えないごみに捨ててよいことになっているのですが、これがなかなか危ないやつで…
SDSを読むと結構怖いんですね。区分は1がいちばんヤバい。
健康に対する有害性
急性毒性(経口) 区分5
皮膚腐食性・刺激性 区分1C
眼に対する重篤な損傷・眼刺激性 区分1
特定標的臓器・全身毒性 (単回ばく露)
区分1(呼吸器系)、 区分2(全身毒性、消化器)
特定標的臓器・全身毒性 (反復ばく露) 区分1(呼吸器系)
吸引性呼吸器有害性 区分1
有害性についてもう少し詳しく見ると、こんな感じ
11.有害性情報
皮膚腐食性・刺激性:皮膚に対して腐食性。湿った皮膚に対して強い刺激性。
重篤な皮膚の薬傷・眼の損傷(区分1C)
特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露):粉じん吸入は気道の炎症、肺炎を起こすとの記載により区分1(呼吸器系)に、 誤飲すると脈が速く、弱くなり、呼吸が速く、浅くなり、体温が下がり、声門腫により呼吸をしにくくなりショック状態になる。食道、胃の穿孔も生じるの記載もあるが、Priority2であるため区分2(全身毒性、消化器)に分類した。
特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露):鼻中隔の潰瘍、穿孔の報告がある4) , 10)の記載により区分1(呼吸器系)に分類した。
吸引性呼吸器有害性:ヒトで吸引性肺炎が報告されている。飲み込み、気道に侵入すると生命に危険のおそれ(区分1)
粉塵も怖いけど、目も怖い。
4.応急措置
医師に対する特別注意事項:安静と医学的経過観察が不可欠。
眼の中で水分やたんぱく質と反応して生成した酸化カルシウムの塊は水洗浄で
除去するのは困難。医師の手で除去が必要。
こえー。目の水で
CaO + H2O ⇒ Ca(OH)2
になってアルカリとしてたんぱく質を攻撃するってか?!
一方、危険性関連を見ると、水が入ると容器が爆発のおそれという。
5.火災時の措置
使ってはならない消火剤:棒状注水
特有の危険有害性:加熱あるいは水の混入により容器が爆発するおそれがある。
特有の消火方法:容器内に水を入れてはいけない。
水が入ると先ほど紹介した CaO + H2O ⇒ Ca(OH)2 の反応が起こります。
ところで、薬品庫の酸化カルシウムの試薬を見てくれ。こいつをどう思う?
すごく…形が変です…
ということで容器がぼこぼこに変形しています。さらに、中身の酸化カルシウムを水に加えても、これがまったく発熱しません。
お前はもう死んでいる。
もう水を吸って水酸化カルシウムになってしまったのですね。ということで廃棄。
10.安定性及び反応性
安定性:空気中の水、炭酸ガスを吸収して水酸化カルシウムと炭酸カルシウムを生成する。
危険有害反応性可能性:水と反応して、可燃物を発火させるのに十分な熱を発生する。酸、ハロゲン、金属と激しく反応する。硫酸、五フッ化水素と接すると発火する。塩酸と接すると発熱する。
水以外にも結構多方面に喧嘩売ってます。取り扱いには十分気を付けましょう。
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