重い荷物を持ち上げるときに、滑車があると便利です。
では、どのように便利なのでしょうか。
質量48g、すなわち0.48Nの重力がかかる物体を10cm持ち上げることを例にしてみましょう。
ところで、滑車には使われ方によって、定滑車と動滑車の2種類あります。今日は定滑車についてみていきましょう。
定滑車は、その位置が固定されている滑車です。
この定滑車を使って、0.48Nの重力がかかる物体を10cm持ち上げてみます。
上の2枚の画像は、左側が持ち上げる前、右側が持ち上げた後です。
ばねばかりの目盛りはどうなっているでしょうか。
おわかりいただけただろうか…0.48Nです。つまり、普通に吊っているときと変わらないのです。(※ばねばかりは水平で0Nになるように調整してあります。)
どういうことでしょうか。定滑車の場合、なんだかんだ言っても結局、物体を1本のひもでつるし、その先にばねばかりがあるので、フツーにひもに0.48Nの力がかかっているだけなのです。なので、物体を10cm引き上げたければ、ばねばかりを10cm引き上げる必要があります。
定滑車は、力の大きさも動かす距離も変えないのですが、力の向きを変えることができます。
でも、力の大きさも動かす距離も変えないなら、あんまり意味がないんじゃないか、そう思ったりしていませんか。
{;;;;;;ゝ T辷iフ i f’辷jァ !i;;;;; 力の大きさも動かす距離も変えないなら
ヾ;;;ハ ノ .::!lリ;;r゛ 定滑車を使うメリットがない・・・
`Z;i 〈.,_..,. ノ;;;;;;;;> そんなふうに考えていた時期が
,;ぇハ、 、_,.ー-、_’,. ,f゛: Y;;f. 俺にもありました
~”戈ヽ `二´ r’´:::. `!
30kgの荷物を1m持ち上げることを考えてみましょう。300Nの重力に逆らって1m持ち上げるのです。
結構大変なイメージがないでしょうか。腰を痛めそうな感じもします。
ところが、天井に取り付けた定滑車にひもをかけ、一端に荷物を結び付け、反対側を引っ張ることができます。
この時引っ張る向きは、定滑車のおかげで自由に変えられます。なので、下に引っ張りましょう。
300Nの力で上に引っ張ることは大変でも下に引っ張ることは簡単です。体重が30kg以上あれば、そのひもにぶら下がってしまえばいいのですから。
ちなみに、この時天井は、300Nの荷物の重力、体重、定滑車とひもの重力の全部を一気に支えなくてはなりません。
…がんばれ、天井。
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