1233 中学理科で解ける 共通テスト2024 生物基礎編

第2問

A (a)血液は、血管を通って体内を循環しており、細胞の呼吸に必要な酸素や栄養分、細胞が放出した二酸化炭素や老廃物を、からだの適切な場所に運搬する。また体内には、(b)皮膚や血管が傷ついたときにすぐに修復する仕組みが備わっている。

問1 下線部(a)に関連して、血液の成分に関する記述として最も適当なものを、次の①~⑤のうちから一つ選べ。
① 血液は、有形成分の血球と液体成分の血清とからなる。
② 赤血球、白血球、および血小板のうち、最も数が多いのは血小板である。
③ 血液の液体成分に溶けている物質のうち、質量として最も多くを占めるものは無機塩類である。
④ 血液による酸素の運搬は、主にヘモグロビンによって行われる。
⑤ 白血球は免疫を担うとともに、老廃物の運搬を行う。

酸素の運搬は、赤血球に含まれる色素であるヘモグロビンが行うのでしたよね。 
ちなみに血液の液体成分は「血漿」、赤血球、白血球、および血小板のうち、最も数が多いのは赤血球、血漿の成分は90%が水、7~8%がタンパク質、残りが無機塩類などその他。老廃物の運搬は血漿の仕事で白血球はやらない。

B 理科室に置いてある人体模型にぶつかってしまい,内部にあった各器官の模型を床に散乱させてしまった。そこで,内部が空洞になった人体模型(図1)に,まず,からだの左側の腎臓の模型(図2)と腎臓につながる血管の模型(図3)をもとの位置に戻すことにした。腎臓の模型には3本の管(管A ~C)があり,このうち 管A,管Bは血管であった。管Aの血管壁は管Bの血管壁よりも厚かったので,管[ア]を血管の模型の静脈に接続し、もう一方の管を動脈に接続した。 同様にして,右側の腎臓の模型と血管の模型を接続した後,これらをもとの位置である図1中の部位[イ]に戻した。


問4 前の文章中の[ア]・[イ]に当てはまる記号の組合せとして最も適当なものを、次の①~⑥のうちから一つ選べ。
 

問5 腎臓に流入する血液には、次のd~gなどの物質が含まれている。健康なヒトの腎臓において、図2の管Cに相当する管を流れる液体中に存在する物質の組合せとして最も適当なものを、後の①~⑥のうちから一つ選べ。
 d 無機塩類  e 糖  f 尿素  g アミノ酸
 ①d,e  ②d,f  ③ d、g  ④e、f  ⑤e,g  ⑥f、g

問4 血管壁の厚い管Aは動脈ですね。で、腎臓は腰のあたりにあります
問5 Cは輸尿管で、中には尿が入っています。尿は、アンモニアを体内で処理してできた尿素や、濃度調整で出される無機塩類が含まれています。体に必要な糖やアミノ酸を捨ててしまってはもったいない。 

第3問

問3 下線部(C)に関連して,中部地方のある山地では,過去300年にわたり,2年に1回,人為的に植生を焼き払う火入れを春に行った後、成長した植物の刈取りをその年の初秋に行う管理方法により,伝統的に草原が維持されてきた。近年になり、管理方法が変更された区域や,管理が放棄された区域も見られるようになった。表1は.五つの区域(I~V)における近年の管理方法 を示したものである。また図1は、各区域内で初夏に観察された全ての植物の種数と,そこに含まれる希少な草本の種数を調べた結果を示したものである。


この山地における草原を維持する管理方法と観察された植物の種数について,表1と図1から考えられることとして最も適当なものを次の①~④のうちから一つ選べ。

①火入れと刈取りの両方を毎年行うことは、火入れと刈取りのどちらかのみを毎年行うことと比べて,全ての植物の種数における希少な草本の種数の割合を大きくする効果がある。
②火入れを毎年行うことは,管理を放棄することと比べて,全ての植物の種数に加えて希少な草本の種数も多く保っ効果がある。
③伝統的管理を行うことは,火入れと刈取りの両方を毎年行うことと比べて、全ての植物の種数に加えて希少な草本の種数も多く保つ効果がある。
④管理を放棄することは,伝統的管理を行うことと比べて,全ての植物の種数における希少な草本の種数の割合を大きくする効果がある。

知識不要のデータの読み取り問題です。
一つ一つ検討していきましょう。ただし、グラフの読み取り数値には誤差があります。
①全ての植物の種数における希少な草本の種数の割合は、火入れと刈取りの両方を毎年行ったとき(Ⅱ)で3.8/28=14% に対し、火入れのみ(Ⅳ)だと4/25=16%、刈取りのみ(Ⅲ)だと5/25=20%なので、両方やると割合はむしろ小さくなっている。
②ⅣとⅤの比較。火入れを行う(Ⅳ)と、希少な草本の種数が少なくなってしまう。
③ⅠとⅡの比較。全ての植物の種数と希少な草本の種数、どちらも伝統的管理(Ⅰ)の方が多いのでこれが正解。
④全ての植物の種数における希少な草本の種数の割合は、伝統的管理(Ⅰ)で8.2/36=23%、管理を放棄(Ⅴ)で4.5/22=20%
したがって

B 人間活動によって本来の生息場所から別の場所へ移動させられ、その地域に棲み着いた生物を,(d)外来生物という。(e)外来生物が生物多様性の保全や生態系のバランスに関わる問題を引き起こさないように、必要に応じて外来生物を管理することが求められる

問4 下線部(d)に関連して,外来生物が関わっていない記述を次の①一④のうちから一つ選べ。
① アジア原産のつる植物であるクズが北米に持ち込まれたところ、林のへりで樹木を覆い、その生育を妨げるようになった。
② サクラマスを川で捕獲し、それらから得られた多数の子を育ててもとの川に放ったところ、野生の個体との問で食物をめぐる競合が起こり,全体として個体数が減少した。
③ ィタチが分布していなかった日本のある島に,本州からイタチが持ち込まれたところ、その島の在来のトカゲがイタチに食ぺられて激減した。
④ メダカを水路で捕獲し、外国産の魚と一緒に飼育した後にもとの水路に 戻したところ、飼育中にメダカに感染した外国由来の細菌が水路にいる他の魚に感染した。

外来生物というのは、人間の活動に伴って、それまで生息していなかった場所に持ち込まれた生物を刺しますから、②のようにもともとサクラマスがいたところだったら、放ったサクラマスの子は外来生物ではありませんね。 

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