1247 銅錯体をうっとり眺めよう
酸化銅(Ⅱ)のところでもちょっと遊んだんだけど、もともとは、古い塩化銅(Ⅱ)二水和物の容器を見たときに思ったんですよ。
嫌だなぁ~怖いなぁ~、じゃなかった、おかしいなぁ、変だなぁと。
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どこがおかしいと思ったかわかりますか。
塩化銅水溶液といえば、濃ければブルーハワイのような青で
うすくてもきれいなスカイブルーじゃないですか。
結晶だってそんな色しています。
だのに、なぜ、たぶん吸湿して水溶液になったのに、こいつは青というよりは緑色なのか。
そんな疑問がわいたので、結晶にちょこっと水を加えてみました。そしたら(右)。
緑色になりました。
さらに水を加えると、緑色の水溶液になり、さらに水を加えるとお馴染みの青の塩化銅水溶液となります。
動画で見てみましょう。
で、またこのきれいな青に濃塩酸を加えると緑に戻ります。
さらに水をいれたり濃塩酸を入れたりしているうちに、なんか下が緑上が青になってしまいました。
きれ~
酸化銅(Ⅱ)のところで説明したように、
緑色 テトラクロロ銅(II)酸イオンン [CuCl4]2+
青色 テトラアクア銅(Ⅱ)イオン [Cu(H2O)4]2-
ですね。塩素と水で塩素の割合が多いと前者に、水の割合が多いと後者になるというわけです。
と、するとですよ。思いつくことが2つ。
1.塩化銅の結晶に水をほんの少量加えると塩素(塩化物イオン)のせいで緑になるなら、塩素を含まない硫酸銅だったら水をほんの少量加えても、緑にならないで青のままになるよね?
2.でもって、塩素(塩化物イオン)で緑になるんだったら、別に濃塩酸使わなくても食塩とかでも緑になるんじゃね?
そういう目で見てみると、硫酸銅の結晶って、塩化銅の結晶と違って緑っぽさが全くないんですよ。完全に青って感じで。
ともかく1と2をを連続でやってみたのがこちらです。
1:03に食塩の固まりが加わりますので、それ以前が1、それ以降が2の実験です。
ものの見事に予想通り青のまま水溶液になり、食塩を加えたら緑色になりましたね。
2本並べてみました。きれいです。
さてさて、今度は明るい青の硫酸銅水溶液に、アンモニア水を少しだけ加えてみましょう。
青白色の沈殿が生成しました。水酸化胴(Ⅱ)です。
Cu2+ + 2OH- → Cu(OH)2
さらにもっと過剰にアンモニア水を加えていきます。
水酸化銅の沈殿が溶けて、濃青色の透明水溶液となりましたよ。
ちなみにここで強いアルカリである水酸化ナトリウム水溶液を加えても水酸化銅は溶けてくれません。にもかかわらず、あえて弱いアルカリのアンモニア水で溶けてしまうというのも意外ですね。どうしてでしょうか。
ここでは濃青色の錯イオンであるテトラアンミン銅(Ⅱ)イオン[Cu(NH3)4]2+ができたためですね。
アンモニア水少量と大量のツーショットです。
では、硫酸銅水溶液に今度は塩化アンモニウムを多めに加えたらどうなるでしょうか。塩化物だから緑色?アンモニアだから濃青色?それとも両方の色が混じる?
緑になりました。アンモニウムイオンはアンモニアじゃないからダメなんですね。
というか吸熱反応で冷たくなりました。
食塩を加えたときのやつと比べてみましょう。
ちょっと色が違うように見えますが、1日おいて比較してみると、同じ色だとわかります。
4ショット
最後に、塩化銅(Ⅱ)二水和物と硫酸銅(Ⅱ)五水和物の結晶同士のツーショット。
やはり色がちがいますね。
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