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0502 酸化銅(Ⅱ)

酸化銅(Ⅱ) 酸化第二銅  Copper (Ⅱ) oxide 1317-38-0
CuO  79.55 黒色粉末

比重/密度: 6.4g/cm3  不燃性(だってすでに酸化してるもんね)
水、アルコールに不溶。 酸に可溶。アルカリには微溶だが、アンモニア水には可溶。
(塩基性酸化物であるので、酸と反応して塩を作る。)
混触危険物質は強酸、強塩基、強酸化性物質、ヒドラジン、チタン、ナトリウム。

毒物・劇物ではありませんが、銅なので、臓器への障害という意味での毒性、そして水生環境有害性が大きいですが、アレルギー性皮膚反応を起こすおそれもあります。

そして中学理科では銅を酸化させて酸化銅にして質量比を調べたり酸化銅を還元して銅にする実験で登場しますね。

中学理科では登場しませんが、酸化銅には Cu2Oが化学式の酸化銅(1)・酸化第一銅・亜酸化銅もあります。こちらは赤~赤褐色です。

さて、酸化銅が酸に溶ける、ということは、あの夏休みの理科の自由研究の定番、「10円玉をピカピカにする」につながります。

すなわち、10円玉が黒ずむのは空気中の酸素により、表面が酸化して酸化銅(Ⅱ)になったから。(手垢で黒ずみ、別の物質になったという理由もありますが、それはおいといて)
そして、塩基性酸化物である酸化銅(Ⅱ)は塩酸と反応し塩化銅(Ⅱ)となります。
CuO+2HCl→CuCl2+H2O

それでは、酸化銅に塩酸を加えてみましょう。
希塩酸を加えた直後は、溶液の中を酸化銅が舞って真っ黒になったのですが、1日放置したらきれいに青くなっていました。やはり酸に溶けるのですね。

今度は、酸化銅に思いっきり濃塩酸を加えてみました。っておい。
すると、黒っぽくなっていますが、液体は緑というか黄色というか。
テトラクロロ銅(II)酸イオン [CuCl4]2-ですね。

水を加えて緑色にしてみました。まだこの段階ではテトラクロロ銅(II)酸イオン です。

さらに水を加えますと、いつもの塩化銅水溶液などでおなじみの銅(Ⅱ)イオンの色ですが、じつはこれは、銅(Ⅱ)イオンが4分子の水と配位結合をつくったテトラアクア銅(Ⅱ)イオン[Cu(H2O)4]2+イオンなのです。

そういや塩化銅の粉末を水に溶かすとき、塩化銅に少量の水しか加わっていないときは、水溶液が緑色だったように思えます。さらに大量に水を加えて水溶液にするといつもの青になりますが。あの時の緑もテトラクロロ銅(II)酸イオンの色だったんですね。

というか、この話は本来塩化銅のところでやるべきだよな。

なお、黒ずんだ10円玉の酸化銅は、もともと10円玉の銅由来だから、酸などをかけてとかすのは貨幣損傷等取締法に引っかかるのではないか、という素朴な疑問がわきますが、造幣局のサイトで「レモン水(レモン果汁)などの弱酸に漬けて、そのまましばらくおくか煮沸するときれいになります。」などと紹介しています。

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