1384 ラジオ「気象通報」の変遷 ~理科教育とともに

 学校の紀要に論文を一本書きました。
 今回のテーマはNHK第2でやっている「気象通報」についてです。

 特に一定年齢上の方には、中学校理科の授業ではラジオの気象通報を聞いて天気図を書いたことを覚えている、という人は案外良く聞きます。また、最近では、気象通報を倍速で聴いて放送終了と同時に天気図を書きあげるのが地学系の学生の嗜みらしいです(信じるか信じないかはあなた次第)。

 一方、インターネットの普及により完成した天気図そのものが入手しやすくなったということで漁業や山岳関係者のニーズは減り、そして「天気図の作成」が中学校学習指導要領の理科の内容の座を追われたため、一部の好事家の先生を除いては授業で気象通報を聴くこともなくなりました。それに呼応してか、一時期は天気図用紙の入手が困難になったり、気象通報そのものも1日3回の放送から1日1回に減りました。将来NHKのAMが1波に統合されれば、気象通報は廃止されるのではないかとささやかれている先行きの真っ暗さもあります。(2026.3追記 NHK AMに移行しました。詳しくはこの記事の下の方で)

 そんなわけで、放送開始から現在までのラジオ番組としての気象通報と、その周辺の気象観測、そして気象通報をもとに天気図を作成してきた理科教育の変遷をまとめてみました。

 J-STAGEにもアップはされているのですが、こともあろうに、編集側のミスでいちばん苦労した気象通報の主通報地点の変遷を整理した図が抜けているわ、論文でありながらヘッダやページ数がないわで、そちらを見た人からクレームが私の方へ直接来ています。なのでこのブログに来た皆さんはこちらからちゃんとしたやつをダウンロードしてくださいな。


 この論文書いたときにブックマークしたリンク(で、今もリンクが生きているもの)。今回の論文に使われなかったものも多くあります。
 ちなみに、「インターネットは玉石混交」「ネットは信ぴょう性の低いから…」とはよく言われる言説です。それはそれで正しいのですが、逆にウラさえ取れれば貴重なデータに化けます。なので使わないのはもったいないです。ウラ取りの方法含めた多少の目利きは必要ですが。

2005年までの気象通報データ 気まぐれファリオン
76年前の「天気予報が消えた日」生証言
官報は創刊号から気象情報、使えない天気予報も掲載
気象知識普及の理想を求めて “天気”38.12.
気象通報 1984年7月1日18時
気象通報 1993年6月1日18時
気象通報 1988年8月17日18時
気象通報 – Wikiwand
気象通報90周年 9★Collection
気象通報(漁業気象通報放送原稿) 過去データ/ログ/聞き逃し/アーカイブ
気象通報通報地点一覧表
気象通報ファン Chakuwiki
気象報道管制の誤解 太平洋戦争中でも台風情報はラジオ放送されていた
太平洋戦争と天気図、天気予報  お天気豆知識  BIOWEATHER SERVICE
定点観測船に乗る もの書きを目指す人びとへ
定点観測船のこと
天気図作り スジエビの不思議 ※ブログ記事中の天気図に注目
天気図保存館(2号館) 3776.net
天気予報が復活した8月22日は黒星
突ちゃんのコツコツ気象通報データ
放送記念日 92年前のラジオ放送開始時から天気予報の番組
元資料で簡単に分かる「太平洋戦争中は気象報道管制で気象報道が全くなかった」という思い込み
森田進 昔の予報官『気象人』
ラジオ「気象通報」の放送開始で激減した日本近海の海難

追補・この論文が出た後の気象通報の動き

2026.3.29 NHKラジオ第2の廃止

 2026年3月まではNHKのラジオが3波(ラジオ第1放送、ラジオ第2放送、FM放送)だったが、2026年度の番組改定により2波(NHK AM、NHK FM)に再編された。
 事実上廃止となるラジオ第2放送の番組である気象通報が終わるのではないかという懸念もあったが、2026年2月12日に「2026年度(令和8年度) 国内放送番組編成計画」にて、気象通報はNHK AMで継続されることが発表された。
 2026年3月30日から NHK AMでの放送となった。

<午後3~4時台・午後5時台>
○「気象通報」(月~金・後3:45~4:05、土日・後5:05~5:25)
 各地の天気のほか、気圧や前線の状況など、漁業関係者や山岳関係者には欠かせない情報をお伝えする番組です。気象について理解を深める教育的な役割も果たします。昭和3年からNHKラジオで続いてきた番組を、AMの新たな放送枠で編成します。

2026年度(令和8年度)国内放送番組編成計画 NHKメディア総局

 なお、1925年に放送開始された「株式市況」は101年続いたが、終了となった。大正14年からNHKラジオで続いてきた番組は、AMの新たな放送枠で編成できなかったようだ。

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