1387 教科書の入手について

 ふつうの本屋さんでは、教科書ガイドは売っていても、教科書そのものは売っていません。

 新年度になると学校で当たり前のように生徒に配られ(高校では販売され)ますが、それ以外の教育実習で使う、教職課程を目指しているので持っておきたい、教員でも他社の教科書をチェックしたい、塾だけど教科書を分析したい、うちの子が教科書をなくしちゃったんだけど先生には知られたくない、などなどさまざまな事情で教科書を入手しようとするととたんにハードルが高くなります。

 学校で使う特別な本なので、まず、学校で使う生徒に新学期に確実に届くようにすることに注力しているためです。

 教科書は出版社から(大取次が送本代行することがありますが)、「教科書・一般書籍供給会社(特約供給所)」に送られ、そこから「教科書取扱書店(取次供給所)」に教科書が送本されます。

 このうち、出版社本社では一般販売は対応していません。また、教科書取扱書店だと、学校への供給は行っているものの、一般への販売はしなかったり、やっていても、その地域で採用されているもの以外の教科書は置いてないので取り寄せになり時間がかかる…ということもありうる話です。
 教科書は、一般の書籍に比べて安いので、1冊ずつ売ってもあまりもうからないというのもあるようです。実際、教科書は図書券やクレジットカードで買えないというのも、書店から見て図書券やクレジットカードの発行会社に手数料を持っていかれると、とても割が合わないから、というのもあるそうです。

 なので、教科書を入手するには教科書・一般書籍供給会社がおすすめです。その一覧がこちらです。

東京23区だと、4つの教科書・一般書籍供給会社があります。

東京都第一教科書供給株式会社は、店頭で販売しています。この店は何度か行ったことがあるのですが、教科書以外にも、学校採用の問題集や塾で使っている問題集(これも一般の書店では売っていない)なども扱っており、あれもこれもついつい大人買いしたくなるお店です。平日 9:00~17:00、土曜・日曜・祝日休業といううらやましいくらい健全な営業時間がつらいけど。
 学校で使っている問題集や理科の資料集のような副教材は、一般の書店では売っていません。あれは学校のように大量に買うから流通もシンプルで返品もほぼないので安くできるのであって、同じものを本屋で売っている本のような流通経路で販売すれば、とてもあの値段では売れません。転入生が来たときに1冊だけ買うというのは、たぶん赤字です。

また、株式会社 東京都西北教科書供給所は、直接行ったことはないのですが、サイトの画像を見ると1階が販売コーナーになっているようです。なので、第一教科書のように、教科書以外の物を売ってあるかなど詳細は不明です。(ご存じの方、コメントを頂けると嬉しいです)

東京教科書供給株式会社東京都東部教科書供給株式会社 は通販をやっています。ただし、どちらも代金引換なので、買うものが教科書1冊だけの場合、送料の方が高くついてしまうかもしれません。
送料の高い代金引換なのは、販売店側に本の定価分の現金が全額(手数料などで引かれずに)入るようにしているため、そうでないとやっていけないためだと邪推しています。

ただし、注意事項として販売時期があります。
 教科書の供給は、学校を優先しているため、販売開始が、小学校(前期・通年)は4月16日から、小学校(後期)は9月16日から、中学校は4月16日から、高校は販売終了後、概ね4月 1日から (学校ごとで異なる)となっています。
 さらにじゃあ例えば4月16日に中学校の教科書が確実に手に入るかといえばそうとは限らず、児童生徒の完全供給が終わらないと、一般販売が解禁にならないため、供給完了まで待たなくてはなりません。

 実際、教育実習生から、2021年4月29日現在、教科書・一般書籍供給会社を数件問い合わせたにもかかわらず、実習で使う某社の理科の教科書が入手できないと相談がありました。

 また、入手しないでいい、閲覧するだけというなら都道府県が設置する教科書センターを利用するというのも一つの方法です。

ちなみに教科書供給に関しては、「教科書を子どもたちに確実に届けるために」という文書が興味深いです。教科書供給の問題点が書かれています。古い(平成19年)文書ですが、それ以降、状況が改善されたとはとても思えず。むしろ悪化しているのではないかと。
 書籍・雑誌の粗利が20%を超えるのに、教科書は約10%。教科書では稼げないのね。だから指導書であんなにボッタうわなにをするくぁwせdrftgyふじこlp

Check it out!
全国教科書供給協会

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