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0749 【日本の気象8】大気の動きと海洋の影響2 気象現象が起こる範囲

地球は空気で覆われていますが、その厚さは?と聞かれると意外に厄介な問題です。ISSのある上空400kmにも空気はわずかながらですが存在します。

でも高気圧・低気圧や台風など、さまざまな気象現象が起こっているのは地球上のもっと下の方です。

地上から10kmまでの範囲は対流圏、その上50kmまでの範囲を成層圏といいます。

対流圏は、上の空気が冷たく(=重い)下の空気が温かい(=軽い)ので、下の空気が上に行き、上の空気が下に行く、つまりその名のとおり対流が起こるのです。

ところが、成層圏では上の方が温かく、下の方が冷たいので、下の空気は下のまま、上の空気も上のままで対流は起きず、安定です。従って、気象現象なにそれ?の世界なのです。

積乱雲の頂上部分が平らになって広がっている雲を「かなとこ雲」といいます。その平らなところが金床に似ているからですが、平らな部分がちょうど対流圏と成層圏の境目(対流圏界面)なのです。上昇気流に乗って下からどんどん雲はできてくるのはいいが、成層圏には入り込めない。しょうがなく、対流圏界面のところでとどまり横に広がっていく…それが「かなとこ」です。

このように気象現象は対流圏のところでしか起きないのです。その高さが約10km。地表から約10kmの範囲で気象現象が起きているのです。

この10kmという長さ、長いと感じるでしょうか、短いと感じるでしょうか。

例えば、自分の家から地図で10kmの範囲といったらどのあたりでしょうか。
「自分の家から地図で10kmの範囲」を調べるのに、最適なサイトがあります。
はんけい(地図を使って半径を調べるサイト)
こんな感じで示すことができます。

それでは、下に10kmとなるとどんな感じでしょうか。マリアナ海溝の最深部のチャレンジャー海淵の深さが10kmをちょっと超えるそうです。

地球の直径13000kmに対しての地表10kmというのも考えてみましょう。
地球を6.5cmの卵に置き換えて考えてみましょう。
そうすると地球の10kmは卵では50μm(0.05mm)となります。
卵の殻は300μm前後、薄膜も70μm程度なので卵でいえば、あの薄膜より薄い範囲で、地球の気象現象が起きていることになります。

地球の大きさに対して気象現象の起こる大気の層はごく薄いです。


さてここで、一つの画像を見てみましょう。
これは、イギリスの科学専門の画像サイトScience Photo Libraryにある画像です。
地球上の水と空気を1カ所に集めると、こうなる、という図です。水の球は体積が約14億立方km。この球体には海はもちろん川や、万年雪、地下水なども含まれているとのこと。空気の方は重量5140兆トンで、このうち半分は地表から5km以内の空気だそうです。水や空気って、とても珍しく、大切なものなのですね。

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