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0523【化学変化と物質の質量3】質量変化の規則性(前編)

例えば、銅が酸素と結びついて、酸化銅ができる化学変化を例に挙げると

前々回前回やった、質量保存の法則では、たとえばa(g)の銅とb(g)の酸素が結びついてできる酸化銅はa+b(g)である、ということがわかります。

ところが、質量保存の法則をもってしても、反応した銅の質量aと酸素の質量bの関係はわかりません。
ということで、このaとbの関係を探ってみましょう。
もう少し具体的に言うと一定の質量(たとえば1g)の銅は、何gの酸素と結びつくのでしょう。無限に結びつくのか、限りがあるのか。1gの銅の代わりに1gのマグネシウムだと、結びつく酸素の質量はどうなるのか、気になるところがあります。

そこで、こんな課題を設定してみましょう。

課題:2種類の物質が結びつくとき、それぞれの物質の質量の間にはどのような関係があるのだろうか

予想

こういう「2つの数量の間にはどのような関係があるのだろうか」系の問いでは、とりあえず「比例」と答えるのが吉だったりします(身もふたもない)

 関係ないけど、「関係」といえば、1990年ごろにやってた転職のアクセスマガジンDODA(デューダ)のCMのシリーズはどれも面白いのですが、 特に心に刺さったのはタクシーを舞台にしたやつの一つです。
 後部座席に客の沢田研二扮する疲れた客が乗っていて、
尾美としのり扮する運転手が
「お客さん、疲れてますね~、どんな関係?」とおそらくは職種(金融関係とか医療関係とか)を聞いたところ、客(沢田)の答えは
「…人間関係…」
あはは。笑えないけど笑える。

構想

2種類の物質が結びつくとき、という話なので、具体的な化学変化として銅が酸素と結びついて、酸化銅ができる化学変化、ついでにマグネシウムが酸素と結びついて、酸化マグネシウムができる化学変化でやってみたいと思います。

銅(マグネシウム)と酸素の質量の間の関係を調べるため、一定量の銅(マグネシウム)が何gの酸素と結びつくかを測ります。
銅粉やマグネシウム粉末をガスバーナーで加熱しても、1回では完全に酸化しきれません。なので、何度も加熱する必要がありそうです。酸素と結びつけば質量が増えるので、もし加熱しても(結びつけようとしても)質量が増えなくなれば、限界に達したんだ、完全に結びついたんだと考えることができそうです。

加熱する銅(マグネシウム)の質量ですが、班ごとに0.40g、0.60g、0.80g、1.00g、1.20g、1.40gと変えていきます。
そうすれば銅0.40gに酸素何g、銅0.60gに酸素何g、銅0.80gに酸素何g…とグラフにかけそうですね。そうすれば銅の質量と酸素の質量の関係を見出せそうです。

実験

(1) 空のステンレス皿の質量を測る。
(2) 皿に銅粉(もしくはマグネシウム粉、以下同様)を載せて、質量を測る。
(3) (2)で測った質量から(1)で測った質量を引けば、最初の銅粉の質量がわかる。
(4) ガスバーナーで銅粉を載せた皿を加熱する。
(5) 燃えたな~と思ったら冷まして、また皿ごと質量を測る。
(6) (5)で測った質量から(1)で測った質量を引けば、加熱後の銅粉の質量がわかる。
(7) 加熱後の銅粉をこぼさないようにかき混ぜる。
(8) (4)~(7)を加熱しても質量が増えなくなるまで繰り返す。

ところでこの動画の2:34あたりから、黒くなった酸化銅にガスバーナーの炎をあてると見事な赤褐色になっています。どうしてこうなったかわかりますか。

[結果1]
ある班は1.00gの銅を加熱しました。
その時の質量の変化を示します。

このグラフはなめらかにかくのでしたよね。
こんな具合に

[考察1]
最後にグラフが平らになった、つまりある値以上に増えないところから、一定の質量の銅に反応する酸素の質量には限度があることがわかります。
ここでは、銅1.00gが最終的に酸化銅1.25gになりました。もちろん、結び付いた酸素の質量は1.25-1.00=0.25gですね。

では、最初の銅の質量を変えたときはどうなったでしょう。また、マグネシウムの場合はどうでしょうか。
他の班のデータを見てみたいと思います。そこは後編で。

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