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0131 【状態変化3】状態変化と熱(3) 状態変化を粒子のモデルで表わす

前回
ロウの状態変化や

アセトンの状態変化

では、状態変化では体積は変わりましたが、質量は変わりませんでした。
これを水溶液の時にもやった粒子のモデルをまた使って表わしてみましょう。

課題:粒子のモデルを使って、固体・液体・気体の変化を表そう!

 体積は変わるけど質量は変わらない。これをうまく粒子のモデル、つまりロウやアセトンの粒を○を使って表すのです。

 状態が変化しても水は水だし、ロウはロウだし、アセトンはアセトンです。ということは〇の粒は◎になったり●になったりせず、○のままです。そして、質量が変わらないということは、状態変化をしても○の数は変わらない、ということです。

 つまりこういうことです。

体積が変わったというのは、○と○の隙間の広さが変わった、ということなのですね。でもどうして状態変化に伴って体積が、もっというと隙間が変わるのでしょうか。

これは固体・液体・気体の粒の様子の違いによります。

固体
 ちょうど教室で授業を受けている生徒の様子をイメージしてください。規則正しく机が並び、みんな席について授業を受けています。もっとも生徒の一人一人は微動だにしないわけではなく、先生の方を見ていたり、ノートをとったり、席に着いてはいますが動いています。これが固体のイメージです。
 固体では粒子が規則正しく並び、しっかりと結びついています。ただし、粒子は完全に止まっているわけではなく、その場で震えているのですね。
ここでは、非晶質の話はスルーします。

液体
 教室を出る生徒はいませんが、教室の中で、生徒がみんな立ち歩いたりしている状態が液体のイメージです。
 液体では粒子はあちらこちらに移動できますが、粒子同士の結びつきは固体ほどで強くありませんが、多少はありますので、動きといってもわきまえています。

気体
 休み時間にあちこちに行って遊んでいる生徒が気体のイメージです。教室にいる生徒、外に出る生徒、図書室に行く生徒…行動範囲は一気に広がり、授業中の比ではありません。
 気体では粒子同士の結びつきはほとんどなく、バラバラに飛び回っています。

こういうイメージがもてると、
同じ人数の生徒でも 授業中の行動範囲<教室内で自由行動の範囲<休み時間の行動範囲 となるように
同じ質量でも 固体の体積<液体の体積<気体の体積 になるのがわかると思います。
実際に ロウなど、多くの物質でこの関係があります。

 ただ、例外があります。水です。
 水は液体より固体の方が体積が大きくなります。つまり、水が氷ると体積が増えるのです。
これはどういうことかというと、固体の水、つまり氷の粒子は、たしかに規則正しく並んでいるのですが、その並び方が無駄に隙間が多いので、液体より体積が大きくなってしまったというわけです。
 水の密度が最も密度が大きくなるのは、水の温度が約3.98℃のときです。
 このため、冬、気温が下がり、湖や池の水も冷えるとき、温度が3.98℃になるまでは、水の密度が大きくなり、下の方へ移動します。ところが3.98℃より冷えると今度は密度が小さくなり、上にとどまります。そしてそのまま水面から凍結し始めるのです。湖や池の水面が凍りついても、中で魚が生きていけるのは水のこうした性質によります。

(問題)
氷は水に浮くが、ロウの固体はロウの液体に入れると沈みます。
どうしてか考えてみましょう。ヒントは「密度」

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