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0155 ホウ酸、ホウ砂

ホウ酸

ホウ酸 H3BO3 Mw= 61.83 CAS No.10043-35-3

 ホウ酸の用途としては、水溶液を消毒液として目とくに結膜嚢の洗浄に使います。その一方で、SDSを見ると、目に入ったときの措置として、「水で数分間注意深く洗うこと。コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。」書かれ、ホウ酸を目に入れて大丈夫なのかよと心配になるように書かれています。(ちなみに、食塩などそれほど危険性の高くない物質の場合、コピペ的にこう書かれています。とはいえ毎日ホウ酸で目を洗っているとまぶたの皮膚が荒れたなんて話もありますから、素人目には洗った方がいいのか洗わない方がいいのか、よくわかりません。
 それからゴキブリホウ酸団子なんかも有名ですよね。古くは 18 世紀のバイオリン「ストラディバリウス」の防虫対策にもホウ酸が使用されていました。ゴキブリやシロアリなどの昆虫は腎臓をもたないため、処理・排泄ができず、ある程度蓄積すると代謝が止まり、脱水症状を経て死にます。こえーわ。
 では腎臓のある人間様は食べても大丈夫なのかというと、決してそんなことはありません。致死量は成人で10~20g程度、幼児では5~7g程度と言われています。そこまでいかなくても吐き気・嘔吐・下痢などを引き起こします。さすがに実験でちょっとさわった程度では手を洗えば問題がないでしょうが、目に入らないように保護メガネをして、注意して取り扱うことは必須です。
 そして理科では小学校で水温の変化によって溶ける量が大きく変わる物質の例として登場します。しかし、もともとホウ酸の溶解度は食塩のそれを下回るので、再結晶でもそれほど結晶が出てくるわけではなく、硝酸カリウムに比べるとインパクトに欠けることは否めません。


ホウ砂(四ほう酸二ナトリウム十水和物)

  B4Na2O7.10H2O Mw=381.37 1303-96-4
 ホウ砂。正しい読み「ほうさ」ではなく「ほうしゃ」です。これもホウ酸と同様劇物ではないものの、飲み込むと有害です。用途としては、ガラスや工業製品、医薬品などですが、身近でわかりやすい例が1つしかないのですよね。それについては後述しますが。

キジ印の純正化学の青瓶ですな。これまた古そうな。

 ちなみに無水物はガラスホウ砂と呼ばれます。(CAS No.1330-43-4)

スライムの原料

 で、硼砂が理科で使われる場面はやっぱりスライムづくりでしょう。
 ということで、洗濯のりからスライムをつくってみました。
 まず洗濯のり。これはPVA(ポリビニルアルコール)を使います。

PVAと水をほぼ等量入れます。

ここで絵の具や食紅で色を付けてみる…わけですが、ここでは砂鉄を入れてみました。
さらに、これとは別にホウ砂の飽和溶液(水100gに対して4.7g程度)をつくります。
それをPVA+水連合軍に、少しずつ入れてかき混ぜます。
ちなみにホウ砂を少なめだとやわらかく、ホウ砂を多めにする堅め、というかゲルになります。

ラップの上にスライムと化した洗濯のりを置き、磁石(二六製作所謹製)を近づけてみました。


ちなみにこっちは絵の具で色を付けてみました。

そしてこれは、ラップで包んでいたのですが、翌日緑色のやつがラップのすきまからもれて大変なことに…と思いきや、意外に簡単にはがれて事なきを得ました。


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ホウ酸のよくあるご質問 | 一般向け製品情報 | 健栄製薬
ホウ砂のよくあるご質問 | 一般向け製品情報 | 健栄製薬

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